フランス金融取引税、ノックアウトされた仏銀に「ジャブ追い打ち」か

【記者:Adria Cimino】

1月31日(ブルームバーグ):フランスの株式市場は、時価総額 で欧州2位の規模を誇るが、サルコジ大統領が単独で0.1%の金融取 引税を導入する計画を発表したことで投資家の支持を失う恐れがある。

ロベコ・ジェスチョンの投資責任者、イブ・メイヨー氏(パリ在 勤)は「税率が高くなくても、パリ以外に株式取引の選択肢がある市 場参加者は別の場所に移るだろう。われわれはそれを心配している」 と話す。

フランスでは4月に大統領選を予定し、結果によっては5月に決 選投票が行われる。サルコジ大統領(57)は選挙を控えて、20カ国・ 地域(G20)と主要8カ国(G8)の議長国だった昨年に表明した金 融取引税導入の公約を果たしたいと考えている。大統領は29日、銀 行の反対にもかかわらず金融取引税を8月から導入し、ハイフリーク エンシー(高頻度)取引を含む株式とクレジット・デフォルト・スワ ップ(CDS)の取引に適用すると発表した。

フランスの金融業界は同国が単独で金融取引税を導入することに 反対し、フランス銀行(中央銀行)も実現の可能性を疑問視している。 ノワイエ総裁は16日、取引税を欧州全域で適用可能にすることを含 めて、実施に向けて多くの問題を解決する必要があるとの見解を示し た。

パラティーヌ・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 マシュー・ジュリアーニ氏は「他の国が続いて導入せず、パリ市場が 競争力を失うことが懸念される。国内市場にとって不利な条件が一つ 増えることを意味する」と警戒する。

仏銀はふらふら

ブルームバーグのデータによれば、フランスの株式市場で取引さ れる企業の時価総額は1兆5200億ドル(約116兆円)と欧州で英国 に続いて2番目に大きい。また、フランス銀行によれば、CAC40種 指数の時価総額の約42%を非居住者が保有している。金融取引税の課 税額が比較的小さいことはその影響が限定的であることを示唆するも のの、フランスの金融株などが打撃を受ける可能性があると一部のア ナリストは指摘する。

仏銀ソシエテ・ジェネラルとクレディ・アグリコルの株価は昨年 54%を上回る急落を演じた。ニューヨークのペンション・パートナー ズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ゲイド氏は「昨年の信用 危機を受けて、フランスの銀行がなお脆弱(ぜいじゃく)であること を考えれば、現時点での課税はノックアウトを食らってまだふらふら のボクサーにジャブを見舞うにも等しい」と話している。

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