【個別銘柄】決算嫌気し富士フや花王、九電安い、JR東日本は堅調

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きょうの日本株市場で、株価変動 材料があった銘柄の終値は以下の通り。

富士フイルムホールディングス(4901):前日比6.9%安の1807 円。円高や景況感悪化による需要減、タイ洪水などが響くとし、2012 年3月期の連結営業利益予想を前期比19%減の1100億円に下方修正 すると30日発表。従来の同0.1%増の1365億円から一転、減益見通 しとなった。ゴールドマン・サックス証券では、第3四半期、第4四 半期計画とも想定を下回るとし、今期営業利益予想を1313億円から 1184億円、来期を1494億円から1418億円に減額。目標株価は2010 円から1860円に見直した。投資判断は「中立」を継続。

花王(4452):5.9%安の2006円。原材料価格の上昇が響き、11 年4-12月期の連結純利益は前年同期比3.6%減の494億円だったと 30日に発表。12年3月期の純利益予想は従来から7%引き下げ、前期 比13%増の530億円とした。三菱UFJモルガン・スタンレー証券で は、4-12月決算でのファブリック、ケミカル事業での苦戦に言及し、 通期売上高は1兆2235億円と会社計画1兆2350億円を下回る可能性 があるとした。同証では、花王の目標株価を2400円から2200円に引 き下げ、投資判断は「中立」を継続した。

キヤノン(7751):4.2%安の3290円。30日に発表した12年12 月期の連結営業利益予想は、前期比3.2%増の3900億円。デジタル一 眼レフカメラの好調で増益は確保するが、円高や欧州景気の悪化が収 益を圧迫する見込み。ブルームバーグ・データにあるアナリスト21 人の事前予想平均は4649億円で、市場予想からの下振れが嫌気された。

アンリツ(6754):11%高の908円。12年3月期の連結営業利益 予想を従来比21%増の142億円に上方修正、前期比2倍を見込むと30 日に発表。また、期末配当予想を1株当たり5円から10円に増配、年 間で15円を計画した。前期は7円。野村証券では、驚異的な決算内容 として投資判断「買い」を継続、目標株価を1300円から1400円に見 直した。来期以降はLTE端末量産用計測器が増益ドライバーになろ うとし、同証による今期の営業利益予想を137億円から145億円に、 来期を160億円から167億円に増額した。

アドバンテスト(6857):7.1%高の875円と連騰。未定としてい た12年3月期連結業績予想を27日に公表、営業損益は10億円の黒字 (前期比84%減)とした。ブルームバーグ・データにあるアナリスト 15人の事前の予想値平均は23億円の赤字。大和証券キャピタル・マ ーケッツは30日、SOCテスタ主導による13年3月期の業績回復シ ナリオの期待が高まってきたとし、投資判断を「4(アンダーパフォ ーム)」から「3(中立)」に上げた。CLSAアジアパシフィック・ マーケッツでも、判断を「売り」から「アウトパフォーム」に変更。

JR東日本(9020):3.5%高の4935円。ショッピング・オフィス 事業などが堅調に推移するほか、第3四半期までの主力の運輸業の動 向を踏まえ、12年3月期の連結営業利益予想を3070億円から前期比

0.6%増の3470億円に上方修正する、と30日に発表。業況改善を好感 する買いが先行した。陸運は、東証1部33業種でTOPIXの押し上 げ寄与度1位。

東芝(6502):1.8%安の323円と4日続落。テレビ事業の不振や 円高、タイの洪水が響き、12年3月期の連結営業利益が前期比1割減 の2100億円程度にとどまる見通し、と31日付の日本経済新聞朝刊が 報道。これまでの会社予想は同25%増の3000億円を見込んでいたが、 一転して減益になるといい、売りが先行した。

三井住友フィナンシャルグループ(8316):1.5%高の2425円。発 行済み株式総数の1.65%に当たる2294万株を上限に自己株式を取得 すると30日に発表し、株式需給の改善を見込む買いが先行した。取得 総額は800億円を上限とし、取得期間は31日から3月23日まで。同 時に公表した11年4-12月期の連結純利益は前年同期比20%減の 4110億円。海外融資の増加に伴う手数料や国債取引関係の収益は増え たが、欧州債務危機の影響による株式関係損益の悪化や法人税関係の 負担が減益要因となった。据え置いた12年3月通期計画(5000億円) に対する進ちょく率は82%。

海運株:商船三井(9104)が1.1%高の288円、川崎汽船(9107) が1.4%高の144円、日本郵船(9101)が同1.1%高の193円。海運3 社は31日の昼休み時間帯に、海外での海上荷動きの鈍化や円高などが 響いたとし、12年3月期の連結業績予想をそろって減額、赤字が拡大 する見通しになった。ただ、事前に収益環境の厳しさを織り込む株価 形成となっていたため、発表後は不透明感の後退で買い優勢となった。 東証1部33業種の海運株指数は、前日までの年初来騰落率がマイナス

1.2%と、TOPIXのプラス3.9%を下回る。

HOYA(7741):1.8%安の1616円。12年3月期の連結純利益 は前期比38%減の370億円(従来は未定)になりそう、ときょう午後 1時に発表。主要製品の価格下落や円高が響くとしている。ブルーム バーグ・データによるアナリスト14人の予想値平均は475億円だった。

NSD(9759):9%高の664円。発行済み株式の5.86%に相当 する自己株300万株を3月26日に消却する、と午後2時に発表。また 新たに同4.1%の自己株を取得するとも発表し、株式需給の改善を見 込む買いが膨らんだ。

四国電力(9507):3.3%安の2209円。伊方原子力発電所1、3号 機の運転再開の遅れに伴う火力発受電量の増加や燃料価格の上昇で需 給関連費(燃料費と購入電力料の合算)が増加したことで、11年4- 12月期の連結営業利益は前年同期比39%増の275億円だった、ときょ う午後1時30分に発表。午後の取引で下落基調を強めた。

九州電力(9508):4.2%安の1095円。原子力発電所の運転再開延 期や燃料価格上昇などにより火力燃料費、購入電力料が増加したこと などで、11年4-12月期の連結経常損益は1064億円の赤字だった、 と30日に発表。前年同期は697億円の黒字。また、期末に1株当たり 20円の配当を実施、年間で50円配と前期の60円から10円減配の計 画も示し、足元の厳しい業況を嫌気する売りが広がった。

デンソー(6902):2.2%安の2265円。米司法省が30日に発表し たところ、同社と矢崎総業は米国での自動車部品販売で価格操作、談 合を行ったとされる問題で、価格カルテルに関する有罪を認め、罰金 の支払いに同意した。反トラスト法違反の罰金として、矢崎は4億 7000万ドル(約359億円)、デンソーは7800万ドルを支払う予定で、 今後の特別損失計上などを通じた業績への悪影響が懸念された。

スタンレー電気(6923):4.9%安の1171円。タイ洪水でグループ 2拠点が浸水による一時的な稼動停止となったことを踏まえ、12年3 月期の連結営業利益予想を従来の310億円から290億円に下方修正す る、と30日に発表。前期比では3.7%増益予想が一転、3%の減益と なる見込み。収益水準の低下を嫌気する売りに押された。

大阪チタニウムテクノロジーズ(5726):4.7%安の3435円。三菱 UFJモルガン・スタンレー証券は30日、目標株価を3500円から3100 円に下げた。チタン事業は販売好調だが、原材料価格の上昇で12年度 はマージンが前年比微減となる可能性が高いと指摘。同証ではポリシ リコン事業の減産も織り込み、12年3月期の営業利益予想を68億円 から64億円に(会社計画78億円)、来期を102億円から68億円に減 額修正した。

富士通ゼネラル(6755):2.7%安の429円。海外向けを中心とし た空調機、デジタル消防無線システムなど情報通信部門がともに売り 上げを伸ばしたが、銅など素材価格の高止まり、円高による為替差損 の計上が響き、11年4-12月期の連結経常利益は前年同期比5.7%減 の51億4100万円だったと30日に発表。前期比9.2%増の95億円で 据え置いた12年3月通期予想に対する進ちょく率は54%にとどまり、 計画未達のリスクが警戒された。

ネットワンシステムズ(7518):7.2%安の19万3600円。前日午 後の取引時間中に発表した11年4-12月期の連結営業利益は、前期 比4倍の106億円だったが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券で は、10-12月業績は絶好調な一方、機器利ざや低下やサービスビジネ ス構成比の低下で粗利益率が25.7%と、同社想定の27.4%より低下し た点をやや危惧する、指摘した。

テルモ(4543):1%高の3655円。30日公表の11年4-12月期 決算は、連結営業利益が前年同期比3.7%増の499億円だった。12年 3月期計画の626億円(前期比横ばい)は据え置き。JPモルガン証 券は31日付の投資家向けメモで、国内ホスピタル事業が上期の大幅減 収から10-12月は前年同期比4.7%増収と輸液中心に急回復し、順調 と指摘。投資判断「オーバーウエート」、目標株価5100円を継続した。

野村総合研究所(4307):1.4%高の1735円。大和証券キャピタル・ マーケッツは30日、投資判断を「アウトパフォーム」から「買い」に 引き上げた。新目標株価は2142円。上野真アナリストはリポートで、 来期は野村ホールディングス向け案件の拡大とセクター全体に受託ソ フトウエア開発分野の回復期を迎え、採算改善を伴う業績拡大が持続 しようと記述している。

三菱製鋼(5632):3.5%高の236円。主力の特殊鋼鋼材の増収効 果などで、11年4-12月期の連結営業利益は前年同期比31%増の89 億円だった、と30日に発表。前期比4.4%増の97億円で据え置いた 12年3月通期計画に対する進ちょく率は92%に達し、収益水準の上振 れを見込む買いが優勢となった。

日新電機(6641):10%高の507円。主力の電力機器事業を中心に 競争激化による販売価格の下落などの影響を受け、11年4-12月期の 連結経常利益は前年同期比12%減の30億7800万円だった、と30日 に発表。ただ四半期ごとに見ると、7-9月の5億5000万円から10 -12月は14億8000万円と改善、また同社は官公庁向け、民需案件と も第4四半期に売り上げが集中する傾向もあり、通期計画の達成は可 能とみられた。12年3月期予想は前期比1.5%減の74億円を維持。

富士紡ホールディングス(3104):5.8%安の162円。主力の繊維、 研磨剤などを中心に第3四半期以降の厳しい事業環境を踏まえ、12年 3月期の連結営業利益予想をこれまでの42億円から36億円に下方修 正する、ときょう午前11時に発表。前期比では11%増益が一転、4.5% 減益になる見込みで、午後に業況悪化を懸念する売りが膨らんだ。

東京鉄鋼(5445):25%高の335円。主原料の鉄スクラップ価格が 想定を下回ったことで採算性が改善し、12年3月期の連結営業利益は 前期比2.2倍の29億円と、従来計画の18億円から上振れる見通しと きょう午後2時に発表。業績修正後に急騰基調を強めた。

らでぃっしゅぼーや(3146):ストップ高となる150円(21%)高 の873円。NTTドコモ(9437)は、有機・低農薬野菜と無添加食品 の会員制宅配サービスを行う同社に対し、株式公開買い付け(TOB) を行うと30日に発表。食品を新たなコマース事業展開の重要な商材と 位置付け、モバイルとの親和性も高いと判断した。買い付け期間は1 月31日から3月12日まで、買い付け代金は69億円。TOB価格の 990円にさや寄せを見込む買いが膨らんだ。ドコモ株は1%安の13万 5400円とこの日の安値で終了。

ワコム(6727):9.9%高の12万8400円。韓国サムスン社製ギャ ラクシーノート向けペンセンサーシステム、プロフェショナル向け液 晶タブレット「シンティック」シリーズが想定以上に伸び、12年3月 期の連結売上高予想を従来の365億円から前期比18%増の389億円に 上方修正する、と30日に発表。製品ミックスの変化、円高などを踏ま え、13%増の37億円とする営業利益計画は据え置いたが、増収増益達 成確度の高まりを好感する買いが優勢だった。

一休(2450):7.6%高の3万5250円。販売宿泊室数が想定以上に 伸びているとし、12年3月期の営業利益は前期比52%増の9億4900 万円と従来計画の7億6000万円から25%上振れる見通しになった、 と30日に発表。足元の業況好調を評価する買いが膨らんだ。

タカラバイオ(4974):4.5%高の443円。販管費抑制、遺伝子治 療プロジェクトに対する助成金の取得などが寄与し、12年3月期の連 結経常利益は前期比29%増の16億5000万円と従来計画の15億円か ら1割上振れる見通し、と30日に発表。業況安定を踏まえ、期末に1 株当たり1円の配当も実施する。従来予想、前期は無配。足元の収益 水準の高まり、株主還元姿勢を好感する買いが入った。

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