S&P小川氏:消費税率10%への引き上げでも財政再建には不十分

米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)の信用アナリスト、小川隆平氏(シンガポー ル在勤)は30日、ブルームバーグ・ニュースの電話インタビューで、 日本政府が進めている消費税率の10%への引き上げが実現しても、基 礎的財政収支(プライマリーバランス)の改善など財政再建には不十 分だとの見方を示した。

小川氏は、歳出が膨らむ中、歳入を増やす努力をしない限り、財 政の健全性を示す基礎的財政収支の赤字削減の目標を達成するのは 「ほとんど不可能に近い」と指摘。消費税率10%では足りないとした 上で、「基本的には、社会保障制度をどうにかしない限りは、いくら 消費税を上げても仕方がない」と述べた。

S&Pは昨年1月、日本の外貨・自国通貨建ての長期国債格付け を最上位から3番目の「ダブルA」から、「ダブルAマイナス」に1段 階引き下げたと発表。4月には震災発生を受け、格付け見通しを「安 定的」から「ネガティブ」に変更した。小川氏は格付け見通しは引き 続き「ネガティブ」だと述べた。

政府・与党は今月6日に、消費税率を「14年4月に8%、15年 10月に10%」へと2段階で引き上げることを盛り込んだ一体改革素案 を正式決定した。野田佳彦首相は3月末までに通常国会へ関連法案を 提出する方針。

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