ホンダ:今期予想の純利益60%減-今春には生産が通常レベルに

ホンダは31日、今期(2012年3 月期)連結純利益が前期比60%減の2150億円の予想と発表した。東 日本大震災に加えタイ洪水が生産活動に影響したほか、円高も響く。 昨年10月末にはタイ洪水の影響で算定が困難として、今期業績予想を 白紙撤回していた。

今期の売上高は同12%減の7兆8500億円、営業利益が同65%減 の2000億円の見通し。ブルームバーグが集計したアナリスト23人の 純利益予想の平均値は2505億円。昨年8月1日に発表した白紙撤回前 の今期予想は、純利益2300億円だった。

ホンダはタイ洪水の影響について、現地で浸水した四輪車工場が 3月末には生産を再開する予定とし、また生産を停止・調整していた タイ周辺のアジア諸国の生産拠点も順次、生産を再開し、4月までに は全生産拠点で通常レベルに戻る見通しとした。四輪車への影響は26 万台の見通し。

今期計画の四輪車の世界販売は前期比10%減の315万台で、うち 北米が同9.5%減の132万台、アジアは同13%減の88万台、日本が同

0.5%増の58.5万台など。また、二輪車の世界販売は同11%増の1266 万台を計画している。今期の為替前提は、1ドル=78円、1ユーロ= 106円とした。白紙撤回前はそれぞれ80円、112円だった。

今期予想の利益段階で前期と比較し、売り上げ変動・構成差等で 約1700億円、為替影響で1280億円などのマイナス要因を見込む。ま た、昨年8月1日の予想時点と比較し、タイ洪水の影響で約1100億円、 為替影響で約570億円のマイナス要因となるのに対し、企業努力で約 970億円のプラス要因という。

来期には新車投入の効果も

独立系調査会社ティー・アイ・ダヴリュ(TIW)の高田悟アナ リストは「今期は競争の土俵に上がることもできなかったが、来期は 新車投入もあるし挽回が期待できる」と述べた上で、4月以後に在庫 レベルが戻り、新車投入がある来期後半が回復時期になると指摘した。

クレディ・スイス証券の塩原邦彦アナリストは、米国市場で「ヒ ュンダイが生産能力いっぱいの稼働のため足元でみてもシェアを落と している」と指摘した上で、ホンダはヒュンダイが落としたシェアを 取り返すだろうが、その先は競合他社に勢いがあるため、どこまでシ ェアを伸ばせるかは分からないと述べた。

来期以降は「自信がある」

ホンダの池史彦専務は決算会見で、米国の在庫が現在、適正水準 の半分程度の37日分相当であると明らかにした上で、「残り2カ月で 適正在庫にもっていくのがシナリオ」と述べ、「来期以後は在庫が潤沢 になり十分売れることに自信がある」と強調した。

ホンダは今期の年間配当が60円と、前期の54円から増配を計画 している。池専務は、来期以後に成長軌道に戻ることの意思表示と説 明した。

自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、今期予想につい て「思ったよりも悪い数字」と述べ、「二輪車はがんばったが、2つの 災害の影響からリカバーするには足りなかったということだろう」と コメントした。

10-12月の決算では、純利益が前年同期比41%減の477億円とな った。売上高は同8.0%減の1兆9425億円、営業利益が同65%減の 443億円だった。世界販売は、四輪車が同2.9%減の83万台、二輪車 は同6.3%増の307.6万台。

決算資料によると、タイ洪水による損失は173億円だったのに対 し、保険収入が118億円あった。この損失のうち、タイ洪水で自動車 が水没するなど、たな卸資産の滅失分は73億円、タイ工場など有形固 定資産の損壊分が77億円。

ホンダの株価は、31日の終値で前日比0.6%安の2666円。昨年は 11月22日に年初来安値の2127円を付けた。

--取材協力:堀江政嗣 Editor:Hideki Asai

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