ゴールドマンなど米銀、海外デリバティブ取引の規制免除を狙う

ゴールドマン・サックス・グルー プやモルガン・スタンレーなど米国の大手銀行5行は、金融規制改革 法(ドッド・フランク法)を海外事業に適用しないようロビー活動を 展開しているが、それが成功すれば半分以上のデリバティブ(金融派 生商品)トレーディング事業が規制対象外となることが米連邦準備制 度理事会(FRB)への届け出で判明した。

2008年の金融危機後にオバマ政権で成立した同法は依然として 最も論争を呼ぶ議題の1つで、銀行側は当局者との面談や議会証言、 大量の書簡などを通じ、同法が海外部門に適用されば競争力の面で米 銀が不利になると訴えている。米国内で持ち株会社を監督し、外国の 監督機関が海外事業を監督すれば、その組み合わせで金融システムに 対するリスク監視には十分だと主張する銀行ロビイストは勢いづいて いる。

銀行各行はスワップ業務のどの程度が海外分なのかは公表してい ないが、FRBには四半期ごとに資料を提出している。ブルームバー グがこの届け出を分析した結果、ゴールドマンは昨年9月末時点で適 正価値デリバティブ(金融派生商品)資産・債務として1340億ドル(約 10兆2800億円)抱え、そのうち62%を米国以外の支店もしくは国際 銀行業務向けの子会社で保有していることが分かった。モルガン・ス タンレーは総額1010億ドルのうち77%が米国以外だ。

スタンフォード大学経営大学院のダレル・ダフィー教授は電話イ ンタビューで、海外事業が米国のルールやそれに等しい外国の規制に 従わなくてもいいのなら、信用危機の再発防止という目標の妨げとな る可能性があると指摘、「今あるシステム全体に広がるリスクという観 点から怠慢というだけでなく、リスクを海外に移転させる誘因ともな る」と述べた。

JPモルガン

FRBへの届け出によれば、JPモルガン・チェースは1880億ド ルのうち59%が海外支店もしくは海外の関連会社。シティグループは 1220億ドルの53%、バンク・オブ・アメリカ(BOA)は1250億ド ルの半分が海外だ。

JPモルガンの事業に詳しい関係者によれば、同行はデリバティ ブ事業の規模を定めるのに別の手法を使っている。資産と債務の差し 引きベースで300億ドルのデリバティブエクスポージャー(連結ベー ス)があるという。同行は行員がこの件について明らかにすることを 認めていないと説明する関係者が匿名を条件に述べたところによれば、 このエクスポージャーの160億ドル(53%)が海外支店・子会社、140 億ドル(47%)が国内だという。

ゴールドマンとJPモルガン、シティ、BOAの広報担当者はコ メントを控えた。ジョー・パベルFRB報道官は金融規制改革法の対 象範囲に関するコメントを拒んでいる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE