野田首相:追加財源の試算公表せず、新年金制度の検討は党が判断

野田佳彦首相は30日午前の参院 本会議で、公明党の山口那津男代表が代表質問で民主党が提唱してき た最低保障年金の導入を柱とする新年金制度の全体像を公表するよ う求めたのに対し、必要となるさらなる消費税増税の試算などを公表 することを避けた。

首相は新年金制度について、2013年の法案提出に向けて「まず は民主党内で検討していくことになるが、検討内容についてどのよう に議論を深め、整理するか、党が判断した上で取り扱うことになる」 と述べた。

その財源確保策に関しては「15年の段階で現行制度による場合 と比較して、消費税率の引き上げ幅に影響を及ぼすほどの大きな追加 財源が必要になるものではない」と述べ、仮に創設が決まっても当面 は消費税率のさらなる引き上げには直結しないとの考えを示した。

民主党は09年衆院選のマニフェスト(政権公約)で、「年金制度 を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現する」とした上で、関 連法案を13年までに「成立させる」と明記していた。消費税率を14 年4月から8%、15年10月から10%に引き上げることを柱とする政 府・与党の社会保障・税一体改革素案には、新年金制度導入のために 必要な追加財源、増税幅は示していない。

共同通信によると、野田首相と民主党の輿石東幹事長らは29日、 官邸での政府・民主3役会議で、新年金制度実施時に消費税で最大4 -7%分の新たな財源が必要とした「財政試算」について、「党で議 論して決めた試算ではない」などとして当面は公表しないことを決め たという。

出し惜しみ

山口代表は代表質問で、新制度の検討内容について「出し惜しみ、 先送りの必要はない。すでに制度設計の基本も、試算もできているだ ろう」と指摘。その上で、「国民は現行制度に基づく素案と、抜本改 革を比べて消費税の負担がどうなっていくのかを知りたがっている」 と追加財源などの試算公表を求めた。

一方、首相は社会保障・税一体改革については「この政権で成し 遂げなくてどの政権で成し遂げられるのかと思う」との決意をあらた めて表明。野党側に対し、「与野党がすべての世代の国民に果たすべ き政治の責任であると確信をしている」と述べ、協議入りを呼び掛け た。

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