EU首脳の危機収束の取り組み頓挫の恐れ-ギリシャ債務交渉で

欧州の景気悪化とギリシャの債 務減免交渉の難航により、金融危機収束の取り組みが頓挫する恐れ がある中で、今年最初の欧州連合(EU)首脳会議が30日開かれる。

欧州首脳は現地時間30日午後2時(日本時間同10時)ごろか ら相次いでブリュッセルに到着する予定で、ドイツ主導の財政協定 をまとめ上げるとともに、今年稼働する5000億ユーロ(約50兆5000 億円)規模の恒久的救済枠組みである欧州安定化メカニズム(ES M)の規定の承認を目指す。欧州当局の一段の債務減免要請の受け 入れをギリシャ国債保有者が示唆したことを受け、ギリシャと民間 債権者は28日、数日中に債務交換で合意に至るとの見通しを示して いる。

危機の発火点であるギリシャの債務交渉長期化が、財政規律と いわゆる防火壁の強化を通じてユーロ圏の結束を維持しようとする 取り組みの妨げになっている。ギリシャ債保有者は、昨年10月に 2000億ユーロ余りの同債の50%減免で合意した後も、ギリシャの金 融破綻回避のためさらなる譲歩を求められてきた。

オズボーン英財務相はスイスのダボスで開かれた世界経済フォ ーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で、「2012年の初めにな っても依然ギリシャについて協議しているという事実は、問題がま だ対処されていないことを物語っている」と述べた。

29日に閉幕したダボス会議では、今こそ欧州債務危機を収束さ せるべき時であり、単に金融混乱の封じ込めを目指す措置ではもは や不十分だとの警告が聞かれた。ブルームバーグが集計したエコノ ミスト19人の予想中央値によると、ユーロ圏経済は今年0.5%縮小 する見通し。

ECBが寄与

欧州中央銀行(ECB)による無制限の資金調達である3年物 オペは、ユーロ圏内の投資家のセンチメント改善に貢献した。イタ リア10年債は3週連続で上昇、スペイン2年債利回りは2010年11 月以来の低水準となった。ユーロは先週の全営業日でドルに対して 上昇。週間では2.2%高の1ユーロ=1.3220ドル。

30日のEU首脳会議を前に、市場の注目はギリシャのパパデモ ス首相と債権者の交渉に集まった。民間債権者を代表してギリシャ と交渉を行っている国際金融協会(IIF)は28日、ユーロ圏財務 相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼 国庫相)が提示した合意案に双方が「近づいている」と表明した。

交渉に詳しい関係者1人は最終合意がまだ成立していないこと を理由に匿名で、債権者がギリシャ30年物新発債の平均の表面利率 を最低3.6%とする案を受け入れる用意があることを明らかにした。 事情に詳しい関係者2人によると、民間投資家側は23日時点で新発 30年債の平均表面利率で4.25%前後を望んでいた。

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