中国人民銀、金融緩和に慎重姿勢-春節前の預金準備率下げ見送り

中国は一部エコノミストの予想に反 し、今月23日-28日の春節(旧正月)連休前の預金準備率引き下げを見 送り、追加緩和策に慎重な姿勢を示した。

バークレイズ・キャピタル・アジアとJPモルガン・チェース、興 業銀行は今月、資金需要が高まる春節に先立って預金準備率が引き下げ られる公算が大きいと予測していた。中国人民銀行(中央銀行)はその 代わりにリバース・レポを使って金融システムへの資金供給を増やし た。

温家宝首相は中国経済に資産バブルの再発や消費者物価の上昇を招 くことなく、不動産市場の鈍化や輸出の伸び悩みを乗り切りたい考え。 人民銀は過去半年間指標金利を据え置く一方で、昨年12月に2008年以来 となる預金準備率引き下げを実施した。

興業銀行の上海在勤エコノミスト、魯政委氏は「人民銀は慎重に政 策を緩和して年初の融資の伸びを調整したい意向だ。09-10年の信用バ ブルの再発を回避し、インフレ再燃を予防するためだ」と指摘。現時点 では預金準備率の引き下げ時期を2月と予想していると述べた。

人民銀が春節前の週に期間14日のリバース・レポを実施し、3530億 元(約4兆3000億円)を金融システムに供給したため、一部のアナリス トは預金準備率の引き下げ観測を撤回している。バークレイズによる と、この措置は預金準備率引き下げと同様の効果があるという。

出だし慎重

キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のアジア担当エコノミス ト、マーク・ウィリアムズ氏は26日付リポートで、「中国の政策緩和は 慎重な出だしとなった」と指摘。預金準備率を据え置くことで「当局は 緩和を急いでいないというシグナルを送った」と分析した。同氏は中国 の経済成長へのリスクを踏まえ、年内5回の預金準備率引き下げを予想 しており、ユーロ圏が崩壊し始めた場合には政策金利の引き下げもある と見ている。

BNPパリバのエコノミスト、彭程氏(北京在勤)は、「金融危機 時のように金融緩和を行き過ぎないよう政府は注意する必要がある」と 述べた。09年と10年の記録的融資の影響は長引いており、地方政府傘下 の投資会社がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクをもたらしてい る。

17日付リポートで春節前の預金準備率を予想していたJPモルガン のエコノミストは20日、引き下げ見送りは金融緩和が「緩やかで制御可 能な形になることを意味している」と指摘。ただ、期間14日のレポ取引 契約が満了すれば市場の流動性はタイトになるため、「今後数週間中」 の引き下げの可能性は残るとの見方を示した。

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