ユーロが反落、EU首脳会議を控え買い慎重-ドル・円は76円台後半

東京外国為替市場では、ユーロが 反落。対ドルでは1ユーロ=1.32ドル台を割り込んで取引された。ギ リシャ政府と債権団間の債務交換交渉をめぐって楽観ムードが広がった ものの、ユーロ買いに行き過ぎ感が生じており、欧州連合(EU)首脳 会議を控えて、上昇の勢いが鈍る格好となった。

1.32ドル台前半で週明けの日本時間早朝の取引を迎えたユーロ・ ドル相場は午前の取引で1.31ドル台後半に軟化。午後には一段安の展 開となり、1.3146ドルまで水準を切り下げた。前週末の海外市場では 一時1.3234ドルと、昨年12月13日以来の水準までユーロ高が進行。 ユーロの相対力指数(RSI、7日間)は、買われ過ぎを示す70を上 回っている。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは ギリシャの債務問題では民間部門関与(PSI)を中心に進捗(しんち ょく)が望めるのではないかという「甘い期待」がユーロの上昇につな がっていたと説明。しかし、PSIが決定されても、欧州中央銀行(E CB)のギリシャ債務減免受け入れに関しては決着しておらず、加えて 第2次支援交渉の本格化に向けて、ドイツがギリシャは財政の権限をE Uに委譲するべきとの考えを示したことで、「市場は冷静に戻った」と いい、欧州時間にはユーロの下げが加速する可能性があるとみている。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円台後半で推移。前週末の海外 市場ではドル安が進み、一時76円65銭と、今月17日以来の安値を付 けた。週明けの東京市場では朝方に付けた76円65銭から76円78銭 まで値を戻す場面も見られていたが、上値も限定され、日中の値幅は 13銭にとどまった。

EU首脳会議を見極め

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が入手したドイツ案のコピ ーを引用して伝えたところによると、ドイツは第2次ギリシャ支援の条 件として、ギリシャの税制や歳出に関する決定に拒否権を持つ新たなE U予算委員を設置したい意向だ。

この日は、EU首脳会議が開かれるが、外為どっとコム総合研究所 のジェルベズ久美子研究員は、ドイツがEU内での各国の独立性を越え るような内容のことを提案するのではないかという見方もあるとして、 「どうなるかはわからないが、そうなった場合はまただいぶ混乱してし まう」と予想している。

欧州委員会のバローゾ委員長は27日、今回のEU首脳会議で経済 成長と雇用のプログラムを提案すると述べている。

前週末には、ギリシャのパパデモス首相が29日に、民間債権団と の債務減免や新たな国際支援の交渉を政府が推進することで、国内の3 党の指導者の支持を得たと声明で言明するなど、交渉の進展が期待され た。

民間債権者を代表してギリシャと交渉を行っている国際金融協会 (IIF)は28日、電子メールで声明を送付し、ユーロ圏財務相会合 (ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)が 提示した枠組みで、双方が自主的な債務交換で合意に「近い」と述べて いる。

また、イタリア政府が27日に実施した証券入札では、発行額が目 標上限に達し、借り入れコストも前回入札時から大幅低下。前週末の欧 州債市場では、ギリシャの債務交渉をめぐる楽観的見方も相まって、イ タリアやスペインなどの国債利回り上昇が落ち着く格好となった。

一方で、前週末には、格付け会社のフィッチ・レーティングスが、 イタリアの格付けを2段階引き下げている。さらに、ベルギーとキプロ ス、スペイン、スロベニアの格付けも引き下げた。アイルランドについ いては格付けを維持したが、同国を含む6カ国の格付けアウトルックは 「ネガティブ(弱含み)」となっている。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、ギリシャの財政 規律に対する姿勢には不透明感が残る中、ドイツとの足並みの乱れも警 戒されるといい、EU首脳会議では「大きな進展は望めない」として、 少なくともユーロの買い材料につながる内容にはならないとみている。

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