東燃ゼネラル:米エクソン保有比率22%に、「経営判断を迅速化」

東燃ゼネラル石油は、米石油大手エ クソンモービルの日本子会社エクソンモービル有限会社株の99%を6 月1日に約3020億円で取得すると発表したことに関連し、東燃ゼネラル の武藤潤常務は30日に都内で会見し、「1000億円ある手元資金を一部取 り崩しながら、銀行からの借り入れを活用する」と語った。

これに伴い、エクソンモービルの東燃ゼネラルへの出資比率は

50.5%から22%(議決権ベース)に低下する。武藤氏は「より迅速な日 本の市場に即した経営判断ができるようになる」と今回の取引の意義を 説明した。

株式取得後も有利子負債比率は業界の平均と「遜色ないレベル」を 維持できるという。過去10年間のフリーキャッシュフローは、累計で約 6000億円とした上で、これに「統合効果を加えると、返済能力に問題は ない。こういったことを銀行に丁寧に説明してご理解頂けたので融資を 受けることができた」と話した。

今回の再編では、石油製品の精製を手がける東燃ゼネラルが、製品 の販売を担うエクソンモービル有限会社を傘下に置くことで製造と販売 部門を一体化する。エクソンモービル有限会社が三井物産の子会社三井 石油と折半出資する極東石油工業株50%も、東燃ゼネラルが保有する。 原油調達や石油製品輸出分野でのエクソンモービルとの協力関係は今後 も維持する方針。

300万株は第三者に売却

エクソンモービル有限会社は現在保有している東燃ゼネラル株のう ち8000万株を6月までに米エクソンモービルに譲渡する。このほか300 万株をエクソングループ外の第三者に売却する予定。6月以降もエクソ ンモービル有限会社は東燃ゼネラル株2億株を保有するが、議決権は失 う。この2億株のうち最大50%を処分することも検討する。

昭和シェルや国営サウジアラムコで勤務していたFEアソシエイツ の石油エコノミスト、藤澤治氏は「東燃ゼネラルが今後生き残るために は戦略的なパートナーが必要になる」とみる。国内石油各社には中東産 油国からの出資を受け入れた企業が多い。昭和シェル石油にはサウジア ラムコが、コスモ石油にはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長 国が全額出資する国際石油投資会社(IPIC)が資本参加している。

藤澤氏は「戦略的パートナーを得られなければ、3000億円を超える 今回の投資の回収は難しい。中東産油国、例えば東燃が必要な軽質の原 油を供給できるカタールなどが適役なのではないか」との考えを示し た。

武藤氏は会見で、「中東の産油国などとの間の関係は、今のところ は何も考えていない。東燃とエクソンモービル有限会社との間で大きな 変更があったので、まずはこれをしっかりとやり遂げたい」と述べた。

精製能力の削減

経済産業省は2010年7月、付加価値の高いガソリンなどの生産能力 を引き上げて国際競争力を高めるため、国内石油各社に製油所の二次装 置装備率の改善を義務付けた。二次装置の増強は1000億円近い投資とな ることから、装備率を高めるためにJX日鉱日石エネルギーや出光興産 などは精製能力そのものの削減を選択して一方で、東燃ゼネラルはこれ までのところ具体的な対応策を示していない。

東燃ゼネラルは国内第2位の精製能力(日量66万1000バレル)を 持つが、武藤氏は能力削減について「国内の燃料需要は誰が見ても明ら かなようにこれから増えることはない。適切なキャパシティーについて は今後考えたい」と述べるにとどめた。FEアソシエイツの藤澤氏は 東燃が今後、川崎製油所や和歌山製油所の能力削減を検討するのではな いかとみている。

東燃ゼネラル株価終値は前営業日比15円(2%)安の733円。

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