キヤノン:御手洗氏が6年ぶり社長に-今期収益予想、市場下回る

デジタルカメラ世界最大手キヤノン は30日、内田恒二社長(70)が相談役に退き、御手洗冨士夫・会長兼 CEO(最高経営責任者)=76=が約6年ぶりに社長を兼務する人事を 発表した。3月29日付。

同日発表した前期(2011年12月)決算は円高や東日本大震災、タ イ洪水が響き伸び悩んだ。今期は立ち直りを図るが、市場予想は下回っ た。キヤノンは現中期計画で、今期3.75兆円見込みの売上高を医療分野 強化などで15年に5兆円以上、同3900億円の営業利益を1兆円以上と する目標を掲げる。今回人事は着実な目標達成のためとしている。

田中稔三副社長は同日の決算会見で、ベテランである御手洗氏の社 長復帰は「難局を乗り切るためベスト」な選択で、16年からの次期計画 では「新しい人にかじ取りを任せる」と説明。内田氏自身が「ひと段落 ついた」として退任を申し出た、と語った。同社広報担当の藤森寛朋氏 は「内田氏の体調不良や社内のトラブルが理由ではない」と述べた。

証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は「昨年は震災やタイ洪水、 ユーロ安など外部的な要因が多かったが、本業はそこまで悔やまれる内 容ではない。引責ではないだろう」とコメントした。内田氏は06年、 御手洗氏の日本経団連会長就任に伴い、社長に就任していた。

今期予想、市場を下回る

30日発表した今期の連結純利益予想は前期比0.6%増の2500億円。 ブルームバーグ・データによるアナリスト20人の事前予想平均3038億 円を下回った。営業利益予想も同3.2%増の3900億円だが、市場予想 4649億円に届いていない。売上高見通し3兆7500億円に対し、アナリス ト事前予想平均は3兆8729億円だった。

田中氏は会見で今期も「世界経済は全体として大きな成長は期待 できない」「厳しい円高の状況が続く」と語った。今期の想定レート は、1ドル=75円(前期実績79.55円)、1ユーロ=100円(同110.72 円)で、いずれも前期から円高方向に設定した。

前期の純利益は前の期比0.8%増の2486 億円。営業利益は同2.4% 減の3781億円。営業ベースでは、大震災とタイ洪水で計1275億円、円 高で833億円の減益要因が、それぞれ発生した。

--山口祐輝 Editor:Yoshinori Eki Tetsuki Murotani

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 天野高志  Takashi Amano +81-3-3201-2423  tamano6@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人   Yoshito Okubo +813-3201-3651  yokubo1@bloomberg.net 香港        Michael Tighe +852-2977-2109   mtighe4@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE