【日本株週間展望】過熱感で4週ぶり反落へ、決算や欧米材料見極め

2月第1週(1月30日-2月3日) の日本株相場は、4週ぶりに反落しそうだ。米国景気や欧州情勢に関 する好材料を織り込み、株価は上昇基調にあるものの、いったん上昇 ピッチの速さに対する警戒が高まる公算が大きい。国内で本格化する 決算結果を見極めたいとして、積極的に上値を買う動きも限られる。

DIAMアセットマネジメントの武内邦信エグゼクティブポート フォリオマネジャーは、「相場上昇に用意が出来ていない投資家が多か ったため、欧州懸念の軽減でマーケットにニューマネーが入ってきや すい」とした半面、その行き過ぎた結果として「日米株とも騰落レシ オなどのテクニカル指標で過熱感が出ている」と指摘した。

1月第4週の日経平均株価は、前の週に比べ0.9%(75円)高の 8841円と3週連続で上昇。為替の円安が追い風となり、輸送用機器な ど輸出関連株が高く、国際商品市況の上昇や金融緩和期待から商社や 鉱業など資源関連株の上げも大きかった。

第1週に発表される米国の経済指標は、2月1日に1月の米供給 管理協会(ISM)製造業景況指数やADP雇用統計、3日には1月 の雇用統計やISM非製造業景況指数など。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想の中央値は、ISM製造業景況指数が54.5への改 善(前月は53.9)、1月雇用統計での非農業部門雇用者数は14万8000 人への鈍化(同20万人)が見込まれている。

米1月指標、EU首脳会議

「給与税減税の継続や石油価格鈍化による実質購買力上昇がIS M製造業指数や雇用統計などに反映されると予想され、1月の米景気 はまだ強いと見て良い」と、アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフ エコノミストは言う。米経済の堅調さに対する評価が広がれば、日本 株の支援要因となりそうだ。

一方、30日には欧州連合(EU)首脳会議が予定されている。ギ リシャについては、デフォルト(債務不履行)回避に受けた債務スワ ップに関する交渉が行われているが、救済コストの上昇をめぐり、国 際金融機関の当局者を含む当事者間での協議が続く。これまで、同交 渉への楽観論が先行して株価が上昇してきた経過があるだけに、合意 や協議進展があっても新たな押し上げ要因とはなりにくく、仮に失望 となれば、相場の反落につながる可能性がある。

海外株式に比べ出遅れていた日本株が修正される一因となった為 替については、足元で円安方向への動きにやや一服感が出ている。24、 25両日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利 を「少なくとも2014年遅くまで」異例な低水準で維持する意向が示さ れた。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、追加金 融緩和というケースもあると述べており、低金利政策の長期化観測は 米景気にはプラスとなる半面、円安・ドル高にはなりにくいがある。

安値からの上昇率6%

外部環境にプラス・マイナス両面が交錯する中でも、足元の株高 基調は鮮明だ。日経平均は終値ベースで16日に安値8378円を付けた 後、25日には8883円と昨年10月末以来、約3カ月ぶりの高値水準に 上昇。この間の上昇率は6%に達した。今回と同様の中間反騰相場で は、昨年6月から7月まで8.4%の上昇を記録している。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「各国でエコ ノミストによる経済成長率見通しの下方修正、アナリストによる業績 見通しの下方修正が続いており、ファンダメンタルズの観点からは足 元の株価上昇はやや行き過ぎ」と見ている。国際通貨基金(IMF) は24日に発表した最新の世界経済見通しで、世界経済の12年成長率 予想を4%から3.3%へ引き下げた。ユーロ圏は景気後退入りし、中 国とインドでは成長が鈍化すると予想している。

騰落レシオ過熱、来期利益予想は切り下げも

またテクニカル分析では、過去の中間反騰局面で底値から8%が 上昇のめどとなっているとし、「最初の上昇波動としていったんは警戒 感が出る水準に来た」と岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラ テジストは言う。値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の百分比を示す騰 落レシオ(25日平均)は、26日に121%と相場の過熱を示すとされる 120%を超えてきた。株価の戻りが急だっただけに、企業決算の本格化 で戻り売り圧力、買い手控えムードが強まる可能性もありそうだ。

ゴールドマン・サックス証券によると、11年10-12月期経常利 益のコンセンサスは前年同期比15-25%減(直前四半期比14%増益) の見込み。前年同期比では輸出関連が24%減、金融を除く国内セクタ ーは13%減という。震災後の供給制限の回復、タイ洪水や為替水準な どが複雑に影響すると分析。その上で、10-12月決算内容は企業業績 予想の修正動向を示すリビジョン・インデックスをプラス転換させる ほど力強くはならず、来期コンセンサスの20%超の増益予想は一段の 切り下げになる、と見る。

3月期決算企業の第3四半期業績発表は、週ベースでは2月1週 がピークとなり、日ベースでの発表最多日は1月31日で全体の16% に当たる255社。2番目は、2月3日の231社(東京証券取引所調べ) だ。個別では、30日に三井住友フィナンシャルグループや京セラ、31 日にコマツや東芝、村田製作所、ホンダ、三菱商事、日本郵船、2月 1日に三菱UFJフィナンシャル・グループや野村ホールディングス、 2日にソフトバンク、3日にデンソーや東京エレクトロンなど。

このほか国内外の経済統計では、30日に12月の米個人所得・支 出、31日には11月の米S&P/ケース・シラー住宅価格指数や日本 の12月鉱工業生産、1日には中国の1月PMI製造業などがある。

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