緊縮の美徳説く銀行首脳、ダボス会議で肩身狭く-去年と様変わり

世界トップクラスの銀行首脳は スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラム(WEF)年次 総会で、緊縮の美徳を説いて回っている。過剰債務を抱える国家のた めだけではない。自らの業界についてもだ。

収益低迷と株価下落、雇用・報酬削減の1年を経験した多くの銀 行業界首脳がスイスアルプスのスキーリゾート、ダボスに今年も戻っ てきたが、PR会社のエデルマンが今週発表した調査によれば、金 融・銀行セクターは2年連続で「最も信頼されない」業界となった。

モルガン・スタンレーで欧州の銀行調査を担当するヒュー・ファ ンステーニス氏(ロンドン在勤)は「去年はどの銀行も成長すること でトラブルが解決できると思っていた。だが今や縮小することで解決 せざるを得ないと考えている」と、ダボス会議での投資家や政策担当 者らとの会合の合間を縫って話してくれた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、西欧と米国を中心に 金融機関は昨年のダボス会議以降、合わせて23万8000人以上の人員 削減を発表している。

バーゼル銀行監督委員会が承認した新たな自己資本比率規定や各 国政府が打ち出した規制、欧州の経済成長鈍化に伴い、バンク・オ ブ・アメリカ(BOA)やドイツ銀行、HSBCホールディングスな ど多くの銀行が事業売却を進めスリム化を図っている。

整理統合

ドイツ銀のアンシュー・ジェイン次期共同CEO(最高経営責任 者)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「金融サー ビス業界全体にとって難しい時期だ。業界内で大きな整理統合がある だろうし、そうなっている」と述べた。

昨年のダボス会議では、銀行側は当局に新たな規制を緩くするよ う説得を試み、資本が軽くなるべく規制に左右されない銀行の方が経 済成長を促すと訴えていた。英銀バークレイズのロバート・ダイアモ ンドCEOは26日の金融幹部の私的な会合を前にインタビューに応 じ、こうした主張は功を奏しなかったと語った。同行は今月、英国で 422人を削減すると発表している。

同CEOは「2011年にわれわれがダボスを去るとき、規制環境 における真の進展に対する楽観論があった」と説明した上で、「より 安全でより健全な金融システムと雇用拡大・経済成長のバランスを取 る中で、安全と健全さにより多くの比重が置かれた」と述べた。

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