新日鉄:今期純利益見通しゼロ、市況低迷、株評価損、税改正など

粗鋼生産国内1位の新日本製鉄は、 2012年3月期の今期連結業績見通しで、純利益をゼロと従来計画の850 億円から大幅下方修正した。生産出荷量の減少や市況の低迷に加え株式 などの有価証券評価損による特別損失の計上、税制改正の影響による繰 延税金資産の取り崩しなどが響く。

同社が27日発表した資料によると、第3四半期(11年10-12月)連 結決算は500億円の純損失となり、今期の四半期ベースでは初めて赤字 に転じた。第4四半期は12億円の黒字を見込むものの、第1、第2四半 期の3けた台の純利益を大幅に下回る。

今期通期の経常利益見通しは1200億円と、同社が前回公表した数値 から600億円減額修正した。鉄鋼需要は輸出向けが欧州経済の低迷や新 興国の成長鈍化に伴い減少しているほか、東アジアなどの供給圧力や円 高などが同社の逆風となっているという。製鉄事業の生産出荷は単独ベ ースで2920万トン程度と、前回の想定から50万トン下方修正した。

谷口進一副社長は同日の決算会見で、生産出荷量の減少について、 「タイの洪水の影響が当初思っていたよりも状況が深刻なことが分かっ てきた」と説明。10-12月期の連結粗鋼生産量は785万トン。四半期別 で「800万トンがベースだったが、そこから落ちてしまった」と言う。 副社長はまた、昨年秋に1ドル=75円台まで一時円高に進んだ為替相場 に対しても「円高が定着してしまった。この辺が大きな負担になってい る」と語った。

この日の同社の株価は決算発表があった午後1時30分前後にかけて 下落幅を広げ、一時は前日比8円(4%)安の193円を付けた。結局は 7円安の194円で取引を終了した。

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