日本株続落、業績減額の任天堂やNEC安い-円高で輸出午後弱含む

東京株式相場は続落。今期業績予 想を下方修正した任天堂、NECが売買を伴って急落し、為替市場で 円高基調が強まった午後の取引でトヨタ自動車やホンダ、東芝、信越 化学工業など輸出関連株の下落傾向が強まった。決算発表後にやや下 げ幅を広げた新日本製鉄など鉄鋼株も安い。

TOPIXの終値は前日比3.48ポイント(0.5%)安の761.13、 日経平均株価は同8円25銭(0.1%)安の8841円22銭。両指数とも 午前は小高い水準で終えたが、午後は為替の円高傾向が嫌気され、軟 調に推移。市場予想を下回る住宅関連統計の発表を受け、米国景気に 対する楽観がやや後退した影響もあった。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニア・ インベストメントマネジャーは、米金融当局が金融緩和を実質的に強 化したことで、「目先は日米金利差の縮小観測で円高・ドル安が進行し やすく、輸出関連株にとっては逆風」と指摘。ただ、こうした市場の 反応は「短期的な水準訂正に過ぎない可能性もある」とし、日本株上 昇の流れはいったん止まったが、「来週から仕切り直し」と話していた。

米商務省が26日発表した昨年12月の新築一戸建て住宅販売は、 年率換算で前月比2.2%減の30万7000戸と4カ月ぶりに減少。エコ ノミスト予想中央値の32万1000戸に届かなかった。きょうの東京外 国為替市場では、午前は1ドル=77円30-40銭台で推移していたが、 午後は一時76円90銭台まで円高・ドル安方向に振れた。

このほか、テクニカル指標の1つで、東証1部の上昇・下落銘柄 数の割合を示す騰落レシオは26日時点で121%と、相場過熱の目安と される120%を上回っており、相場全般に売りが出やすい状況も指数 の上値を抑える一要因だった。

下方修正銘柄に売り圧力

岡三証券の船津典彦投資戦略部長は、欧州の債務不安に対し「マ ーケットではこのところ慣れもあり、ある程度の部分は織り込んでき た。一時期に比べ売買は盛り上がり、相場の地合いは良くなっている」 と指摘。一方で、業績下方修正銘柄が売り込まれた状況について「投 資家が将来の収益回復シナリオを描けない」ためと見ている。

国内では企業決算の発表が本格化してきており、ゲームメーカー の任天堂は26日、対ユーロでの円高進行や携帯ゲーム機「3DS」の 販売伸び悩みなどを理由に、2012年3月期の連結営業損益予想を10 億円の黒字から450億円の赤字に一転。任天堂の赤字決算は1981年の 連結業績開始以来初で、主力の大証1部市場で一時7.8%安の9910円 まで売り込まれた。野村証券やSMBC日興証券、バークレイズ・キ ャピタル証券のアナリストは、任天堂株の目標株価を下げた。

NECも急落。同社は国内外で1万人の人員削減を実施すること に伴い、12年3月期はリストラ費用を計上するなど、従来150億円の 黒字だった連結純損益予想を1000億円の赤字に下方修正すると前日 発表。松井証券の窪田朋一郎マーケットアナリストによると、「企業決 算の内容が出だしから良くなく、来週から発表が本格化していく中、 輸出関連銘柄を中心にネガティブな連想が広がった面もある」という。

新日鉄も午後下げ拡大

東証1部の売買代金上位の輸出関連株では、トヨタやホンダ、ソ ニー、キヤノン、京セラなどが下落。生産出荷量の減少や市況低迷、 有価証券評価損の計上などで、12年3月期の連結純利益予想を850億 円からゼロに減額すると午後1時30分に発表した新日本製鉄も安い。 ただ岡三証の船津氏は、任天堂などから流出した資金は、他の業種・ 銘柄に向かい、「日本株から投資資金が逃げている訳ではない」との見 方も示していた。

東証1部の売買高は概算で19億3788万株、売買代金は1兆1214 億円。値下がり銘柄数は881、値上がり639。業種別33指数では証券・ 商品先物取引、鉄鋼、海運、その他製品、保険、輸送用機器、銀行、 電機など19業種が下落。原油や金先物など国際商品市況の上昇を好感 し、鉱業や卸売、石油・石炭製品など資源関連を中心に14業種は高い。

国内新興市場では、ジャスダック指数が1.7%安の47.81と6営 業日ぶりに反落、東証ザーズ指数は1.9%安の368.92と続落した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE