三菱UFJ:クロスボーダーM&Aに照準-社債引き受け業務強化へ

三菱UFJモルガン・スタンレー証 券は、日本企業によるクロスボーダーM&A(企業の合併・買収)が過 去最大規模に達する中、海外資産買収に関連するファイナンス業務を強 化していく方針だ。

日本における債券引き受け業務で2011年首位だった三菱UFJモ ルガンS証は同業務の拡充策として、海外企業が買収に必要な資金を社 債発行で調達する買収ファイナンスに力を入れていく考えだ。投資銀行 本部・デットキャピタルマーケット部長の諏訪一氏が明らかにした。

三菱UFJは10年5月に米モルガン・スタンレーと合弁会社を設 立し、投資銀行業務の拡大に取り組んできた。しかし、従来から得意だ った債券引受けシェアは、11年が22%と統合前比で実質横ばいにとど まる。3年目を迎える今年はグローバルM&Aアドバイザリー業務に強 いモルガンSとのシナジーを発揮できるかが注目されている。

諏訪マネジング・ディレクターはブルームバーグ・ニュースとのイ ンタビューで日本企業のM&Aについて「クロスボーダー案件が主流に なってきた。今後のトレンドとして、M&Aファイナンスとしての社債 活用が増える可能性が高い」と指摘。海外資産買収を資金使途とする企 業の社債引き受け案件の積極的な獲得を模索していく考えを示した。

具体的には、M&Aバンカーとデットキャピタルマーケット(DC M)のバンカーとの会議を毎週開催し、債券市場の動向について情報を 交換するなど、モルガンSとの協業を強化する。また、外国企業による サムライ債発行案件の獲得も目指す。

顧客企業を新規開拓

11年の日本企業が関わるM&A案件は全体で2282件。円高を背景 に日本企業によるクロスボーダー案件は約800件に上り、金額では887 億ドルと過去最高を記録した。三菱UFJはキリンホールディングスが ブラジルのビール会社スキンカリオール・グループを完全子会社化する 際に700億円規模の社債発行を引き受けた。

ブルームバーグ・データによれば、三菱UFJモルガンは11年の 国内社債引き受けで合計2.9兆円(09年は3.5兆円)相当の案件を手掛 けシェアで首位についた。2位はみずほフィナンシャルグループ、続く 3位は野村ホールディングスだった。

三菱UFJでは、これまで取引のなかったみずほや三井住友フィナ ンシャルグループなどライバルの親密先も新規開拓する意向だ。諏訪氏 は約800支店を持つ国内最大のリテールネットワークを活用し、「これ まで証券マーケットにアクセスしてこなかったような個人」にも社債投 資家のすそ野を広げ、引き受け体制を整えたいという。

Editor: Kazu Hirano Hideki Asai

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