日本の鉱業・製錬業界のコスト、年間50億円上昇-電気料金の値上げで

日本の非鉄金属関連の生産コストは 東京電力の電気料金値上げを受けて、リサイクル加工や電子部品などを 中心に年間50億円程度上昇する見通しだ。金、銅、亜鉛、ニッケルなど に代表される非鉄金属の鉱業・製錬業団体である日本鉱業協会は、生産 に不可欠な電気の料金値上げが業界の痛手になるとみている。

家守伸正会長(住友金属鉱山社長)は26日の定例会見で、海江田万 里元経産相が昨年夏に1キロワット時0.5円を賦課金の上限と示唆する 発言していたことを例に挙げ、「今回は2.5倍以上。業界にとっては死 活問題だ」と述べた。

東電が17日に発表した4月からの企業向け電気料金の値上げでは、 百貨店・大規模事務所ビルなどの大口向けが税込み1キロワット時2円 58銭上乗せとなる。福島第一原子力発電所の事故以降、東電は原発の稼 働停止により代替の火力発電所の燃料費負担が11年度には8300億円程度 に膨らむ見通し。3月には柏崎刈羽原発(新潟県)の原発も稼働を停止 する予定で12年度は全原発が稼働停止することを想定している。

家守会長は、原発の再稼動が行われないという仮定に立てば、東電 の値上げの動きが関西電力や九州電力でも起きてくる可能性は高いと懸 念を示した。

日本鉱業協会には、パンパシフィック・カッパー(PPC、東京都 千代田区)、住友金属鉱山、三菱マテリアル、三井金属鉱業、DOWA ホールディングスなど国内非鉄金属の上位製錬会社が加盟している。製 錬の材料となる鉱石の輸入交渉では、住友鉱が豪英系資源会社BHPと の2012年の銅鉱石の価格で条件が合わないことを理由に交渉を打ち切っ た。電気料金の値上げは、材料高や円高で経営が厳しくなっている製錬 会社にさらなる逆風となっている。

一方、日本鉄鋼連盟の林田英治会長(JFEスチール社長)は、25 日の定例会見で、東電の電気料金値上げを受けた鉄鋼業界全体のコスト は年間200億円上昇するとの見方を示した。

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