さわかみ投信会長:日経平均年末1万6000円も、米経済の活性読む

独立系の投資信託運用会社、さわ かみ投信の澤上篤人会長は、日経平均株価が年末までに現状から8割 以上上昇し、1万6000円を上回る可能性もあると見ている。経済が持 ち直している米国株に連動する格好で相場は上げ、需給面では現預金 に眠る個人資金が日本株買いに動きだすと予想する。

澤上氏は17日のブルームバーグとのインタビューで、日本株は 「ことしからガンガン上がっていく」とし、「日経平均1万6000円は 通過点」に過ぎないとの認識を示した。仮に1万6000円を回復すれば、 2007年12月中旬以来となる。日経平均の25日終値は8883円69銭。

同氏によると、日本株は「本来なら昨年大幅に上昇すると期待し ていた」と言う。国内上場企業の決算は11年3月期の減収・増益に対 し、12年3月期は増収・大幅増益が見えていたためで、実際11年の 日経平均は年初堅調に推移し、2月中旬に1万1000円目前まで回復し た。しかし、3月の東日本大震災が水を差し、震災以外にも「欧州債 務問題、タイの洪水などいろいろなブレーキがかかった」ため、かえ って足元の日本株には「上昇エネルギーが蓄積されている」と話す。

昨年の日経平均は年間で17%下落し、年末値は8455円と1982年 以来、29年ぶりの安値を付けた。ただことしに関しては、個人消費を 中心とした経済の回復で米国株が上昇基調を強めると澤上氏は見てお り、それに日本株も追随すると予想している。

澤上氏が、米消費の回復の可能性を内包する指標の一つとして挙 げるのが自動車販売台数だ。「米国は、車がなければ生きていけない社 会。米自動車は、毎年1600万台から1700万台くらいの買い換え需要 が存在する」が、サブプライム・ショック以降、1000万台をかろうじ て上回る水準にとどまる。「これは永久には続かない。買い足りていな い分の需要が出てくるのは時間の問題」と同氏は指摘した。米調査会 社のRLポークによると、米国での昨年の自動車・トラック買い換え 年数は10.8年と、1995年以降で最長となっている。

ブルームバーグが国内外証券会社や資産運用会社のストラテジス ト、ファンドマネジャーら13人を対象に昨年12月に調べたところ、 日経平均の12年末予想の中央値は1万円。欧州債務問題をめぐる混乱 が徐々に和らぐ中、米景気の回復、新興国を中心とした金融緩和の広 がりが支援材料になるとの見方が多かった。

個人マネーの潜在性

米株高の恩恵を受けて日本株がいったん反発局面に入れば、海外 投資家に加え、「国内の個人投資家も動き始める」と澤上氏は強調。「普 通預金の金利は0.02%、100万円を200万円にするのに3600年かかる」 とした上で、個人は現在消去法的に現預金で持っているが、株が上が り始めれば、株式に対する強気派も増えてくると読む。

日本銀行の資金循環統計によると、昨年9月末時点の個人金融資 産は1471兆円。このうち、56%に当たる824兆円を現金・預金が占め る。株式・出資金は5.6%の82兆円。バブル経済最盛期の89年度に は現預金比率が46%、株式は21%だった。一方、欧米家計の直近の資 産構成を見ると、米国では現預金比率が15%、株式出資金は31%。欧 州は現預金が35%、株式出資金は16%となっており、日本の株式比率 の低さは顕著だ。

人口増で世界経済拡大続く

澤上氏は、世界人口の増加を理由に、長期でも日本株に強気の見 通しを示している。「世界の人口は年間7800万人ずつ増えており、昨 年には70億人を超えた。人口が増え、どんどん豊かになっており、経 済が拡大しない理由はない」と同氏。長期でならせば、世界経済は年 率4%成長、世界の株価は平均で年10%ほど上がっており、日本株に もこの好影響が及ぶと指摘している。

澤上氏は、99年8月に追加型の日本株投信「さわかみファンド」 の運用を開始し、同ファンドの25日までの騰落率は8.2%の上昇。同 期間のTOPIXの49%下落を大きくアウトパフォームしている。 2000年以降の年間パフォーマンスでは、さわかみファンドがTOPI Xを上回ったのは10回に達した。

同ファンドの純資産額は25日時点で2166億円。国内籍の日本株 アクティブファンドでは、フィデリティ日本成長株ファンド(2330億 円)に次いで2番目に大きい。昨年12月30日時点の組み入れ上位銘 柄はトヨタ自動車、ブリヂストン、三菱重工業、花王、国際石油開発 帝石、商船三井、パナソニック、信越化学工業、デンソー、リコー、 浜松ホトニクス、TOTO、王子製紙など。

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