格安航空ジェットスター・J社長:航空機の最大100機体制も視野

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今年運航を開始する格安航空会社 (LCC)のジェットスター・ジャパン(本社:東京都千代田区一ツ 橋)は、航空機を10年後には最大で100機程度をめどに拡大させる可 能性がある。低価格と高品質のサービスを武器に、日本での本格的な LCC市場の開拓と顧客獲得を目指す。

同社の鈴木みゆき社長が26日、ブルームバーグ・ニュースとのイ ンタビューで明らかにした。鈴木社長は、2、3年かけて導入予定の エアバスA320の24機を、8年から10年程度の段階で計80機から 最大100 機程度までの機材調達を視野に入れているとし、「実現の可能 性について楽観している」と述べた。

ジェットスター・ジャパンは、成田国際空港と関西国際空港を拠 点に、北海道や沖縄、九州などの空港を候補とする国内数カ所の就航 から始める計画。就航先は2012年半ばに発表する予定としていたが、 同社長は「数カ月前倒しで発表できそうだ」との見通しを示した。

国内線に続き国際線の就航も行う方針。鈴木社長は、同社が当初 導入するA320の航続距離は短く、「片道5時間程度」のため「候補 としては近距離の中国、台湾、韓国など」への路線を検討していると 語った。ただ、将来的には旅客需要の増加と路線網拡大に応じて、航 続距離の長いA330などを導入する可能性にも言及した。

LCCとしての事業運営は、同社に出資している豪カンタス航空 グループの格安航空会社、ジェットスターに原則準じる方針。鈴木社 長は通常の4割から5割程度安い運賃を提供することで、「高速バスや 電車を利用する感覚で使える航空会社を目指す」とし、これまで航空 機を利用していなかった行楽や帰省目的の顧客層を積極的に取り込み たい考えを示した。

鈴木社長は、日本のLCCの利用者割合について「まだ航空旅客 の全体の8-9%程度にとどまっているが、20年ごろまでには、欧米 などの平均値である35%程度まで需要が拡大するだろう」との見通し を示し需要に合わせた事業規模の拡大を視野に入れ、同社の航空事業 開始の準備を急ぐ考えだ。

最低価格保証制度

ジェットスター・ジャパンの目玉にしようとしているサービスは、 最低価格保証制度(プライス・ビート・ギャランティ-)の導入だ。 これは、競合他社が同一路線、同一日の同じ時間帯でより安い運賃を 提供している場合、運賃をその価格から10%引き下げるシステム。

これが国内の運賃制度の枠内で導入が可能かどうかは未知数。た だ鈴木社長は、同制度について、「ジェットスターグループとして海外 では既に稼働しており、国土交通省航空局などの関係先へも説明済み」 と言う。その上で、「現在はより具体的にどう返金するのかなどの案を 検討している段階だ」と説明する。日本ではかつて家電量販店が顧客 獲得のため同様の制度を導入し、話題を集めたこともある。

スカイマークは成田を拠点とした格安航空フライトを既に実施し ている。また、全日本空輸が出資する形で、LCCとしてピーチとエ アアジア・ジャパンの2社も年内に就航を開始する予定。さらに海外 からも新たなLCCが日本市場に参入する見通しで、各社による運賃 とサービスの厳しい戦いが予想される。

ジェットスターグループは約60路線、17カ国のネットワークを構 築している。鈴木社長は、ジェットスター・ジャパンの国内線とグル ープの国際線ネットを接続させるという。低価格と利便性を提供する ことで日本ナンバーワンのLCCになることが十分可能との認識を示 した。

ジェットスター・ジャパンは、日本航空、豪最大手のカンタス航 空 グループと三菱商事の3社が出資して設立した航空事業会社。資本 金は48億円、3社が3分の1ずつを出資している。運航開始後は120 億円まで増資する予定で、同社は今後新たな出資先を開拓し、財務基 盤の拡大と安定を図る方針。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の姫野良太シニアアナリス トは、国内の主要路線での競争はパイの奪い合いでかなり厳しいもの になる可能性が高いとしながら「国際線事業で、ジェットスターのブ ランドやロゴなどが使用できることは想像以上に大きい」との見方を 示す。その上で、「高成長の新興国から日本への旅客を上手に取り込め ば優位なポジションを築くことは不可能ではない」と述べた。

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