英中銀総裁:景気下支えへ債券購入拡大の余地、インフレ鈍化で

イングランド銀行(英中央銀行) のキング総裁は24日、インフレ鈍化により、政策当局者が経済下支 えと「新たな深刻な景気下降」回避のため債券購入を拡大する余地 が生まれているとの見解を示した。

キング総裁はブライトンでの講演で、「インフレ後退と賃上げ抑 制の中で、政策金利を低水準に維持する余地があり、インフレ率が 2%の目標を下回るのを防ぐのに必要ならば追加資産購入の余地も 存在する」と発言。信用逼迫(ひっぱく)が「今後も景気回復への 逆風になるだろう」と述べた。

25日に発表される昨年10-12月(第4四半期)の英国内総生 産(GDP、速報値)は前期比で減少し、同国経済が過去2年半で 2回目のリセッション(景気後退)入りの瀬戸際にあることが示さ れる可能性がある。同日は英中銀が12日に開いた金融政策委員会 (MPC)の議事録も公表される。同MPCでは、債券買い取りプ ログラムの規模が2750億ポンド(約33兆4300億円)に維持された ほか、政策金利は過去最低の0.5%に据え置かれた。

キング総裁は、「欧州周辺国の財政緊縮が成長に及ぼすマイナス の影響は、ユーロ圏全体の下降につながっている」と分析した上で、 主要新興市場国の景気悪化の兆候が存在すると付け加え、「総合すれ ば、世界的な景気鈍化がみられる」と結論付けた。ただ、世界経済 の置かれている状況は「深刻」だが、「どんな危機にも終わりがある」 ので「絶望する理由はない」と述べた。

英銀の融資抑制

同総裁は英銀が欧州と強いつながりを持つことから、債務危機 によって英銀の融資は抑制されると指摘。「ユーロ圏の問題が解決す るまでは、ユーロ圏への投融資の規模に関する懸念により、英銀の 資金調達コストは高まる見通しだ。その結果、企業や家計に適正な 条件で信用を供与する能力は引き続き損なわれる」と説明した。

さらに「世界経済にとって課題の多い年が始まる中で、金融市 場で前向きのセンチメントが増え、国内ではインフレ率が低下した」 とした上で、「しかし、どれも今年が楽な年になるとは示唆していな い」と指摘した。

同総裁は英銀の融資を支援するため、「市場情勢が悪化した場合 は、健全な銀行に対して質の高い担保を裏付けとして流動性を供給 する用意がある」と語った。また、銀行はバランスシートを改善す る中で、資本増強を優先させて従業員や株主への利益分配を制限す べきだと主張した。

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