今日の国内市況:株式が上昇、債券は続落-ユーロの戻り限定的

東京株式相場は小幅高。ギリシャ の債務交換協議の進展期待で前日の海外為替市場でユーロ高・円安が 進み、トヨタ自動車が5カ月ぶり高値を付けるなど業績懸念の後退で 自動車株が買われた。欧州連合(EU)によるイラン産原油の輸入禁 止決定などを材料に、国際原油市況が反発した影響で鉱業など資源関 連、海運株も高い。

TOPIXの終値は前日比0.61ポイント(0.1%)高の757.40 と6日続伸。日経平均株価は同19円43銭(0.2%)高の8785円33 銭と反発。日経平均は一時昨年11月4日以来、約2カ月半ぶりに8800 円台に乗せた。

ギリシャ政府と、同国債の民間保有者を代表する国際金融協会(I IF)の債務減免協議は長引いているが、フランスのバロワン財務相 は23日の会見で、協議は「目に見えて進展している」と発言。ドイツ のショイブレ財務相も、協議完了を確信していると語った。フィナン シャル・タイムズ・ドイツ版(FTD)は、ギリシャ政府とIIFの 交渉担当者らが債務交換の条件で大枠合意したと報じ、交換後の債券 クーポンで最終合意を目指していると伝えた。

ギリシャ情勢に対する楽観ムードから、23日のニューヨーク外国 為替市場ではユーロが主要通貨に対し上昇。対円では一時1ユーロ= 100円49銭と、昨年12月30日以来のユーロ高・円安水準を付けた。 東京時間24日も1ユーロ=100円台前半と、前日の東京株式市場の終 了時点と比べ円安方向で推移。採算悪化懸念の後退でトヨタが反発し、 東証1部の売買代金トップ。デンソーや任天堂、コマツなども高い。

また、23日のニューヨーク原油先物相場は1.3%高の1バレル=

99.58ドルと4営業日ぶりに反発。EUがイラン産原油輸入の全面禁 止で合意し、イランがホルムズ海峡封鎖など報復に出た場合の中東か らの原油供給寸断のリスクが材料視された。収益へのプラスの影響が 見込まれ、国際石油開発帝石や出光興産、コスモ石油、三井物産など 資源関連株も上げた。

また、ペルシャ湾緊張化によるタンカー運賃の上昇観測などから、 東証1部の上昇率上位に明治海運、共栄タンカーが並んだほか、川崎 汽船など大手海運株も高く、海運は東証1部33業種の上昇率1位。

市場観測によると、取引開始前の外資系証券9社経由の注文状況 は340万株の買い越しで、買い越しは3日連続。

一方、この日はTOPIXが何度もマイナス圏に沈むなど、相場 の上値は重かった。TOPIXは前日までの5日続伸中に4.4%上げ ており、買い一巡感も出やすい局面。

東証1部の売買高は概算で18億3942万株、売買代金は9793億円。 代金は5営業日ぶりに1兆円の大台を割り込んだ。値上がり銘柄数は 640、値下がり877。東証1部の業種別33指数は海運、鉱業、医薬品、 輸送用機器、小売、その他製品、卸売、情報・通信、石油・石炭製品 など15業種が上昇。鉄鋼、証券・商品先物取引、非鉄金属、不動産、 電気・ガス、保険など18業種は安い。前日までのTOPIX5日続伸 中の業種別騰落では、上昇率1位が証券、不動産や保険、鉄鋼も上位 だったため、きょうは直近上昇業種への損益確定の売り圧力も見えた。

個別では、関東甲信で24日未明にかけて雪が降るなど、厳しい寒 さが続く中、冬物衣料販売の伸びを期待した買いなどでファーストリ テイリングは続伸し、52週高値を更新。米マイクロン・テクノロジー、 台湾・南亜科技との3社による経営統合に向けて大詰めの交渉に入っ た、と24日付の読売新聞朝刊で報じられたエルピーダメモリも上げた。 半面、11年4-12月連結営業利益が前年同期比35%減と落ち込んだ メルコホールディングスは大幅続落した。

長期金利は1カ月半ぶり1%乗せ

債券相場は続落。長期金利は約1カ月半ぶりに1%台に乗せた。 欧州債務問題に対する懸念がやや後退し、前日の米国債相場が続落し たことや国内株高が警戒された。

東京先物市場で中心限月3月物は3営業日続落。前日比10銭安い 142円14銭で始まり、一時は142円10銭まで下落して、昨年12月13 日以来の安値を付けた。しかし、その後は下げ渋り、3銭安まで戻す 場面があったが、結局は10銭安の142円14銭で引けた。

23日にブリュッセルで開かれたユーロ圏財務相会合は、2年間に わたる欧州債務危機の打開に向け、ギリシャ国債の保有者に一段の譲 歩を求めた。ギリシャへの公的資金の追加拠出の決定には踏み切らな かった。

23日の米国債相場は続落。ユーロ圏財務相会合で債務危機の解決 に向けて進展があるとの憶測から安全資産を求める動きが後退した。 米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)高い2.05%程度。同日 の欧州市場でドイツ10年債は3営業日続落した。同利回りは4bp高 い1.97%程度。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の320回債利回り は前日比0.5bp高い1.00%で始まり、午前9時半前後に1bp高い

1.005%と、昨年12月13日以来の高水準を付けた。その後は1.00-

1.005%で推移している。

26日に入札を控えている20年物の132回債利回りは一時1bp高 い1.775%まで上昇。新発20年債としては昨年12月上旬以来の高水 準を付けた。

日本銀行は24日開いた金融政策決定会合で、昨年10月の「経済・ 物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価を行い、2012年度の見 通し(委員の中央値)について、実質国内総生産(GDP)成長率を プラス2.0%と、同月時点のプラス2.2%から下方修正した。消費者物 価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比はプラス0.1%に据え置 いた。金融政策については、全員一致で現状維持を決定した。

ドル・円は77円近辺

東京外国為替市場では、午後に入りユーロがやや戻したが、上値 は限定的となった。ギリシャの債務交換に向けた民間銀行団との交渉 をめぐって、前日の海外市場では合意期待からユーロ買いが進行した ものの、域内債務問題の長期化懸念は根強く、上値は抑えられた。

前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3053ドルと、1月4日以来の ユーロ高値を付けていたユーロ・ドル相場は、この日の午前の東京市 場で一時1.30ドルを割り込み、1.2988ドルまで水準を切り下げる場 面も見られていた。午後にはやや値を戻す展開となり、1.3030ドルを 付けたが、上値は限定された。

ユーロ・円 相場は海外市場で一時1ユーロ=100円49銭と、昨 年12月30日以来の水準までユーロ高が進行。東京市場では正午過ぎ に100円03銭まで押し戻されたあと、午後には100円35銭を付けた が、海外の高値には届かなかった。

ドル・円相場は1ドル=77円ちょうどを挟んで推移した。午前に 付けた76円96銭をドルの下値に、午後には一時77円05銭まで上昇 したが、上下ともに限定的で、日中の値幅は9銭にとどまった。前日 の海外市場では76円87銭と、2営業日ぶりの水準までドル安・円高 が進んでいた。

前日の海外市場では、フィナンシャル・タイムズ・ドイツ版(F TD)の報道で、ギリシャ政府と国際金融協会(IIF)の交渉担当 者らがギリシャの債務交換の条件について週末に大枠で合意に達した と伝わり、ユーロの買い戻しにつながっていた。

ギリシャのベニゼロス財務相は23日、ユーロ圏財務相会合前にブ リュッセルで記者団に対し「民間部門から建設的な協力を得ている」 と語り、「遅れることなく手順をまとめることができる」と述べてい る。

23日の欧州債市場では、同日に始まったユーロ圏財務相会合(ユ ーログループ)が債務危機の解決策で進展を見せるとの期待が広がり、 イタリアとスペインの国債が買われた。伊10年債利回りは6営業日連 続で低下し、6週間余りの最低となった。

ユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫 相)は会合後に記者団に対し、ギリシャの将来がユーロ圏にとどまる ことにあるのは明白だと語った。

一方、ロイター通信がユーロ圏の匿名の関係者を引用して伝えた ところによると、ユーロ圏財務相はギリシャの新発債の金利を4%未 満とすることを検討するよう交渉の担当者に求めたという。

そうした中、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の 報道では、ポルトガルが来年市場に復帰できないとの懸念が高まる中 で、投資家やエコノミスト、政治家の間で同国向けの第2次支援が必 要になるとの懸念が増しているという。

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