ユーロの戻り限定、ギリシャ交渉進展期待も懸念残る-FOMC見極め

東京外国為替市場では、午後に入 りユーロがやや戻したが、上値は限定的となった。ギリシャの債務交換 に向けた民間銀行団との交渉をめぐって、前日の海外市場では合意期待 からユーロ買いが進行したものの、域内債務問題の長期化懸念は根強く 、上値は抑えられた。

前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3053ドルと、1月4日以来の ユーロ高値を付けていたユーロ・ドル相場は、この日の午前の東京市場 で一時1.30ドルを割り込み、1.2988ドルまで水準を切り下げる場面 も見られていた。午後にはやや値を戻す展開となり、1.3030ドルを付 けたが、上値は限定された。

ユーロ・円 相場は海外市場で一時1ユーロ=100円49銭と、昨 年12月30日以来の水準までユーロ高が進行。東京市場では正午過ぎ に100円03銭まで押し戻されたあと、午後には100円35銭を付けた が、海外の高値には届かなかった。

SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジストは、ギリ シャの問題に関しては、ハードランディングは避けられる可能性があり 、「突発的なユーロ下落の要素がなくなってくると、ユーロ売り持ち高 の買い戻しが促されやすい」と説明。ただ、足元ではユーロ圏内の入札 動向やドイツなどの資金拠出をめぐるヘッドラインに反応しやすい面も あるといい、弱い材料を受けて売られる局面もあり得るとみている。

一方、24日からは米連邦準備制度理事会(FRB)が2日間の日 程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開くが、野地氏は、量的緩和策 の時間軸長期化を示唆するような内容が出てくれば、リスク選好が活発 化して、ドルが売られやすく、ユーロの上昇が後押しされる展開もあり 得るとみている。

ドル・円相場は1ドル=77円ちょうどを挟んで推移した。午前に 付けた76円96銭をドルの下値に、午後には一時77円05銭まで上昇 したが、上下ともに限定的で、日中の値幅は9銭にとどまった。前日の 海外市場では76円87銭と、2営業日ぶりの水準までドル安・円高が 進んでいた。

ギリシャ情勢を警戒

前日の海外市場では、フィナンシャル・タイムズ・ドイツ版(FT D)の報道で、ギリシャ政府と国際金融協会(IIF)の交渉担当者ら がギリシャの債務交換の条件について週末に大枠で合意に達したと伝わ り、ユーロの買い戻しにつながっていた。

ギリシャのベニゼロス財務相は23日、ユーロ圏財務相会合前にブ リュッセルで記者団に対し「民間部門から建設的な協力を得ている」と 語り、「遅れることなく手順をまとめることができる」と述べている。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏はギリシャの交渉に 関しては大筋合意といったような内容のヘッドラインが多く、ドイツが 新旧救済基金の併用に柔軟化といった新たな材料もあって、市場は少し 安心感を持ってきた感じだと指摘。ただ、ギリシャの債務交換合意が公 式に発表されるまで「リスクは残る」とし、春節で中国勢も不在の中、 「東京時間はきのうと同じようにあまり動かずに欧州の材料待ちという ような形になる」とみていた。

23日の欧州債市場では、同日に始まったユーロ圏財務相会合(ユ ーログループ)が債務危機の解決策で進展を見せるとの期待が広がり、 イタリアとスペインの国債が買われた。伊10年債利回りは6営業日連 続で低下し、6週間余りの最低となった。

ユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相 )は会合後に記者団に対し、ギリシャの将来がユーロ圏にとどまること にあるのは明白だと語った。

一方、ロイター通信がユーロ圏の匿名の関係者を引用して伝えたと ころによると、ユーロ圏財務相はギリシャの新発債の金利を4%未満と することを検討するよう交渉の担当者に求めたという。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、ギリシャ が無秩序な債務再編に追い込まれることを良しとしないとの考えは共有 されており、「最終的にはきちんと着地する」との楽観的見方から、こ れまで積み上がったユーロ売り持ち高の巻き戻しにつながったと説明。 しかし、債務交渉を通過しても、「ギリシャが市場復帰できるわけでは ない」として、財政規律の詳細など課題は山積しているため、ユーロ買 い一辺倒の展開は見込みにくいとしている。

そうした中、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報 道では、ポルトガルが来年市場に復帰できないとの懸念が高まる中で、 投資家やエコノミスト、政治家の間で同国向けの第2次支援が必要にな るとの懸念が増しているという。

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