ダイエー社長:再来期にも悲願の復配、16年ぶり-黒字化軌道乗せで

ダイエーは再来期(2014年2月期) にも16期ぶりの復配を目指す。コスト削減から生まれた投資余力で今 期(12年2月期)から新規出店や既存店改装を加速しており、顧客数 を伸ばして純損益の黒字定着を実現したうえで、課題だった株主還元 を果たす方針。桑原道夫社長が23日、ブルームバーグ・ニュースの取 材で明らかにした。

桑原社長は、再来期から始まる次期中期計画で、「一人前の企業と して安定的に配当できる企業に届かないと駄目だ」と話し、来期(13 年2月期)までの中期計画で掲げた純利益の黒字化目標を達成して再 来期以降の復配につなげることに意欲を示した。

同社は、経営不振のため1998年2月期に配当を実施したのを最後 に、これまで無配の状態が続いていた。大幅なリストラに優先的に取 り組んできたが、ここにきて設備投資の拡充へと軌道を修正しており、 配当復活への環境が整いつつある。

純利益黒字化と復配の実現のために、同社長は店舗のイメージア ップが鍵になるといい、「資産の入れ替えをやっていかないと成長はあ り得ず次の利益が出てこない」と強調。来期も今期並みの275億円の 設備投資を実施し28店の新規出店や老朽化した大型店の改装を急ぐ。

加えて来期は粗利益率の高いプライベート・ブランド(PB)商 品や可処分所得の多い団塊世代以上をターゲットにした商品、サービ スの充実を図り売り上げと利益の成長を目指す。PB商品比率は、自 社だけでなく大株主イオンのPB商品も増やし現在の12.5%から来期 15%にまで高めたい考えだ。

負債の返済から成長へ

10年2月の就任以降、進めてきたコスト削減額は、販売管理費で 前期273億円、今期160億円に達する見込みで店舗投資を可能にする 原資となっている。

ダイエーは過剰投資から膨大な債務をかかえたことで04年から 06年にかけて産業再生機構入りし、抜本的な財務リストラを行った。 ブルームバーグデータによれば、01年2月期末には2兆5641億円あっ た有利子負債は11年2月期末には704億円にまで減少し自己資本比率 は37.9%にまで上昇した。桑原社長は財務のバランスを取りながら店 舗数拡大に踏み切ることで安定した成長軌道への回帰を目指す。

ジャパンインベストの大和樹彦アナリストは「これまで負債の返 済が最優先で投資する余力がなかった。それだけにIT投資でも店舗 投資でも改善の余地が大きい」と指摘。コスト管理が徹底している現 経営陣による投資が軌道に乗れば、成長路線に戻り復配も期待できる と語った。

ダイエーは10年5月に発表した中期経営計画で、前期(11年2月 期)の営業黒字化、今期の経常黒字化、来期の純損益の黒字化を目標 に掲げてきた。桑原社長は、IT投資で売れ筋商品の見極めを徹底し ていることや社員の生産性向上活動が実を結びつつあるとして、「今期 の経常黒字化は、ほぼほぼ手に入っている」と述べた。

団塊世代以上の顧客にビジネスチャンス

ダイエーは、来期の注力分野に団塊世代以上の顧客取り込みを挙 げる。日本全体で65歳以上の人が23%だが、同社長は「ダイエーの店 はそれより多い」と話す。隔月15日の年金支給日には、ビタミン剤の アリナミンEXや養命酒の販売が伸びるという。薬局設置などで積極 対応するとともに、老舗ブランドへの親しみがある顧客層などに向け た商品の開発、販売を進める。

また筆頭株主で農産物などの調達力のある丸紅グループとの取引 も増やし為替や原材料価格の変動に強い商品アイテムの充実を図る。 ワイン、ビール、果物などに加え、丸紅が輸入した穀物で製造された 商品を合算した取引額は、今期810億円となる見通しで桑原社長は、「来 期は1000億円くらいにいくだろう」と展望した。

コンビニエンスストア国内2位、ローソンの新浪剛史社長や3位、 ファミリーマートの上田準二社長など商社から小売企業に転身し、経 営改革を成功させる事例が生まれている。丸紅出身の桑原社長は、そ の要因について、「売り上げだけ見ていればよかった時代から営業利益、 資本回転率と進んできた経営手法の見方ができているのではないか」 と述べ、商社で学んだ経験を小売業で応用する余地があると話した。

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