債券続落、欧州懸念後退で米債安・株高-長期金利1カ月半ぶり1%台

債券相場は続落。長期金利は約1 カ月半ぶりに1%台に乗せた。欧州債務問題に対する懸念がやや後退 し、前日の米国債相場が続落したことや国内株高が警戒された。

ソシエテ・ジェネラル証券の大久保琢史チーフエコノミストは、 「先週末にかけて、ギリシャ債務問題に決着のめどが立ちつつあると いう見方が強まった。政府側と民間投資家の間で、条件が大きく離れ ているわけではなく、協議が決裂するリスクが低下している。米国中 心に景況感が改善しており、株が買われ、債券が売られる基調が続い ている」と述べた。

東京先物市場で中心限月3月物は3営業日続落。前日比10銭安い 142円14銭で始まり、一時は142円10銭まで下落して、昨年12月13 日以来の安値を付けた。しかし、その後は下げ渋り、3銭安まで戻す 場面があったが、結局は10銭安の142円14銭で引けた。

23日にブリュッセルで開かれたユーロ圏財務相会合は、2年間に わたる欧州債務危機の打開に向け、ギリシャ国債の保有者に一段の譲 歩を求めた。ギリシャへの公的資金の追加拠出の決定には踏み切らな かった。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「ギリシャの債 務再編で合意できれば、ユーロ崩壊のリスクが軽減され、最悪の事態 は避けられる。半面、欧州の銀行がリスクを削減する必要があること に変わりはなく、金利が大幅に上昇するほど景況感が改善するとは思 えない」と語った。

23日の米国債相場は続落。ユーロ圏財務相会合で債務危機の解決 に向けて進展があるとの憶測から安全資産を求める動きが後退した。 米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)高い2.05%程度。同日 の欧州市場でドイツ10年債は3営業日続落した。同利回りは4bp高 い1.97%程度。

長期金利1.005%まで上昇

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の320回債利回り は前日比0.5bp高い1.00%で始まり、午前9時半前後に1bp高い

1.005%と、昨年12月13日以来の高水準を付けた。その後は1.00-

1.005%で推移している。

みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジストは、 国内債相場は米債安を受けて軟調地合いが続いており、「先物や10年 債を中心に売りが出ている」と説明した。

一方、長期金利が1%台に乗せたことで買いも入ったもよう。D IAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンドマネ ジャーは「10年債の1%や5年債の0.35%は買えてなかった投資家が 興味を示す水準で売り買い交錯の展開。過度のリスク回避から戻す展 開だが、売りきれないのはギリシャ債務交渉が延びているため。それ が片付かないと金利の上昇余地も試しづらい」と語った。

26日に入札を控えている20年物の132回債利回りは一時1bp高 い1.775%まで上昇。新発20年債としては昨年12月上旬以来の高水 準を付けた。DIAMアセットの山崎氏は、20年債入札について、「現 行の水準なら無難にこなす。年度末でリスクを取りづらい人もいれば、 今年度計画で買わないといけない人もいる。年明けから買いが入って いたが、まだ余力は十分ありそうだ」とみている。

日本銀行は24日開いた金融政策決定会合で、昨年10月の「経済・ 物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価を行い、2012年度の見 通し(委員の中央値)について、実質国内総生産(GDP)成長率を プラス2.0%と、同月時点のプラス2.2%から下方修正した。消費者物 価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比はプラス0.1%に据え置 いた。金融政策については、全員一致で現状維持を決定した。

ソシエテ・ジェネラル証の大久保氏は、「目新しい内容はない。経 済成長率見通しが下方修正されたことは債券にプラスで相場の支えと なる」と分析した。

--取材協力:船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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