野田首相:消費増税へ「決められない政治」から脱却を-施政方針演説

野田佳彦首相は24日午後、衆院本 会議で施政方針演説を行い、消費税率の引き上げを柱とする社会保障・ 税一体改革の実現に決意を示した。重要課題を先送りする「決められ ない政治」からの脱却を目指すとして、野党側に協力を呼び掛けた。

事前配布された演説テキストによると、国際金融市場の動向につ いて一たび「国家の信用」が失われると取り返しがつかないと指摘。 一体改革について「金融市場の力に振り回されない強靭(じん)な財 政構造をもつ観点からも、待ったなし」との認識を明らかにした。

政府・与党の社会保障・税一体改革素案は消費税率を2014年4月 に8%、15年10月に10%へと2段階で引き上げることを盛り込んで いる。首相は当面の対応として「各党各会派との協議を進めた上で、 大綱として取りまとめ、本年度末の期限までに、関連法案を国会に提 出」する方針を示した。

国家公務員給与を約8パーセント引き下げる法案や郵政改革関連 法案での速やかな与野党合意を目指す考えも強調。こうした行政改革 や衆院定数削減と一票の格差の是正など政治改革の実現にも意欲を示 した。

その他の重要課題としては東日本大震災からの復旧・復興、東京電 力福島第一原子力発電所の事故との戦い、日本経済の再生を挙げた。 その上で、求められているのは、わずかな違いを喧伝するのではなく、 国民の真の利益とこの国の未来を慮(おもんばか)る「大きな政治」 と重要な課題を先送りしない「決断する政治」と指摘。与野党に対し、 「大局」を見据えた対応を求めた。

最大野党である自民党の谷垣禎一総裁は22日の党大会で、民主党 が2009年衆院選のマニフェスト(政権公約)で消費税増税に触れなかっ たことを挙げ、「せめてもの政治的良心があるならば、まずはスタート 台に戻って、総選挙をやり直し、こんどはうそをつかずに国民の審判 を仰いだらいかがか」と早期の衆院解散を要求。一体改革をめぐり、 民主党が法案提出前の与野党協議を呼び掛けていることについては 「密室談合」と批判している。

経済再生

経済再生に関しては、12年度予算案を「経済再生の次なる一歩」 と位置付け、11年度第4次補正予算案を併せて早期成立を訴えた。円 高とデフレ克服のため、「日本銀行との一層の連携強化を図り、切れ目 のない経済財政運営を行う」決意も示した。

エネルギー政策に関しては「ゼロベースでの見直し作業を進め、 夏を目途に、新しい戦略と計画を取りまとめる」と指摘。同時に新た な電力システムの在り方や、地球温暖化に関する国内対策も示すこと も強調した。

イラン

外交政策では、イランの核問題について「深刻な懸念を国際社会 と共有」するとの見解を示した上で、今後は「平和的・外交的な解決に 努力することを基本とし、原油市場や日本経済への影響なども総合的 に勘案しつつ、各国と連携して適切に対応」する考えを説明した。

金正日総書記の死去を受けた北朝鮮の動向に関しては「情勢変化 を冷静に見極め、関係各国と緊密に連携しつつ、情報収集を強化し、 不測の事態に備えて、引き続き万全の態勢で臨む」方針をあらためて 示した。

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