日銀会合:12年度成長率をプラス2.0%に下方修正-政策は維持

日本銀行は24日開いた金融政策決 定会合で、昨年10月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間 評価を行い、2012年度の見通し(委員の中央値)について、実質国内 総生産(GDP)成長率をプラス2.0%と、同月時点のプラス2.2%か ら下方修正した。消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年 比はプラス0.1%に据え置いた。

金融政策については、全員一致で現状維持を決定した。欧州の政 府債務(ソブリン)問題や円高、ホルムズ海峡の緊張など、景気の先 行き不透明感が高まっており、日銀は情勢を注視する構えだ。

中間評価では、11年度は成長率をマイナス0.4%と、昨年10月の プラス0.3%から下方修正。コアCPIの前年比はマイナス0.1%と昨 年10月の0.0%から下方修正した。13年度の成長率はプラス1.6%と 同月のプラス1.5%から小幅上方修正。コアCPI前年比はプラス

0.5%に据え置いた。

日銀は会合終了後の公表文で、展望リポートで示した見通しに比 べ、11年度の成長率は「海外経済の減速に加え、過去の実績値の改定 の影響もあって下振れる」と指摘。もっとも、「12年度前半には緩や かな回復経路に復していく」とした上で、12、13年度の成長率は「お おむね見通しに沿って推移する」としている。物価は国内企業物価、 コアCPIとも「おおむね見通しに沿って推移する」と指摘した。

3会合連続で政策据え置き

政策金利は0-0.1%に維持。資産買い入れ等基金のうちリスク資 産などの買い入れを「20兆円」、固定金利方式の共通担保オペを「35 兆円」の計「55兆円」に据え置いた。昨年8月4日の会合で同基金を 40兆円から50兆円に、10月27日の会合で5兆円追加する金融緩和を 行った後、3会合連続で政策運営を据え置いた。

日銀は景気の現状について「海外経済の減速や円高の影響などか ら、横ばい圏内の動きとなっている」として、前月の「持ち直しの動 きが一服している」から表現を修正した。先行きは「当面、横ばい圏 内の動き」の後、新興国・資源国にけん引されて海外経済の成長率が 再び高まることや、震災復興関連の需要が徐々に顕在化することなど から、「緩やかな回復経路に復していく」との見方を据え置いた。

リスク要因については、欧州ソブリン問題が「世界経済の下振れ をもたらす可能性がある」との見方を維持。米国経済については「こ のところ一部に底堅い動きもみられているが、バランスシートの調整 圧力は引き続き経済の重しとなっている」と指摘した。前月の「減速 が長引く可能性がある」との一文を削除して判断を前向きに修正した。

円ドル相場は、金融政策決定会合の結果発表前後で水準に変化な く、午後1時17分現在1ドル=76円99銭で推移している。日経平均 株価は同現在8789円台。

FRBが新たな時間軸

米連邦準備制度理事会(FRB)は20日、25日の連邦公開市場 委員会(FOMC)後に初めて示す政策金利に関する予想の発表方法 を公表。FOMC参加メンバーが予想するFRBの最初の利上げの年 を示す棒グラフと、同メンバーが今後3年間の年末時点、より長期に わたる適切なフェデラルファンド(FF)金利目標の予想を表すグラ フを示す。

FOMCは現在、少なくとも13年半ばまで現在の超低金利を維持 する方針を示している。東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジス トは「時間軸の明確化では日銀が先行していると言えるので、基本的 にFRBの決定が影響を与えることはない」と指摘する。日銀は消費 者物価指数の前年比で2%以下のプラス、中心値1%の物価の安定が 展望できるまで、実質ゼロ金利を維持することを約束している。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストも「FOM Cが時間軸を明確化した場合でも、市場が予想する米国の利上げ時期 はすでに14年にずれ込んでおり、その状況にあまり変化がないならば、 日銀の政策への影響もあまりないだろう」と指摘する。第一生命経済 研究所の熊野英生主席エコノミストは日銀の利上げ時期について「少 なくともFRBが利上げに転じた後。14年度以降」としている。

一段の円高圧力も

一方、モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコ ノミストは「足元1-3月はギリシャへの次回金融支援実施をめぐり 政治的混乱の再発が懸念されるほか、イタリア、スペインをはじめと する南欧諸国での問題の深刻化も予想される」と指摘。「市場参加者の リスク回避から金融取引は全般に引き続き低調で、円は逃避通貨とし て選好されやすい。加えて、この時期は国内機関投資家のリパトリ(逃 避)もあり季節的に円高が進みやすい」という。

佐藤氏はさらに、「決算期末も近いことから、政策当局者は株価動 向にも敏感になる。4-6月は米連銀による量的緩和第3弾実施が見 込まれ、為替市場では日銀が緩和競争に出遅れているとの見方から円 高が進行しやすい」と予想。こうしたことから日銀は「米連銀への対 抗上、通常の資産買い入れプログラムを拡張し、外債購入に踏み切る 可能性がある」としている。

白川方明総裁が午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は2 月17日に公表される。

金融政策決定会合、金融経済月報等の予定は以下の通り。

会合開催       総裁会見 金融経済月報  議事要旨
2月13、14日  2月14日   2月15日    3月16日
3月12、13日   3月13日     3月14日    4月13日
4月9、10日   4月10日     4月11日    5月7日
4月27日       4月27日        -       5月28日
5月22、23日   5月23日     5月24日    6月20日
6月14、15日   6月15日     6月18日    7月18日
7月11、12日  7月12日   7月13日  8月14日
8月8、9日  8月9日   8月10日  9月24日
9月18、19日  9月19日   9月20日    10月11日
10月4、5日   10月5日     10月9日    11月2日
10月30日       10月30日        -      11月26日
11月19、20日   11月20日     11月21日    12月26日
12月19、20日   12月20日     12月21日     未定

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情 勢の展望(展望リポート)は4月27日。議事要旨は午前8時50分。

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