ドイツ、新・旧両救済基金の併用で柔軟化-ギリシャは民間と合意急ぐ

【記者:Brian Parkin and Tony Czuczka】

1月23日(ブルームバーグ):ドイツ政府はユーロ圏の救済基 金について、暫定的な欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と 恒久基金の欧州安定化メカニズム(ESM)を組み合わせることで 危機対応能力を高める案を否定しない姿勢を示した。ギリシャは債 券保有者から債務減免の合意を取り付けようと、交渉が大詰めを迎 えている。

ドイツ政府は今年7月から稼働するESMと既存のEFSFを 合わせた資金力の上限を5000億ユーロ(約50兆2100億円)か ら引き上げることに反対しない可能性がある。複数の政府当局者が ベルリンで発言した。

23日のユーロ圏財務相会合の議題は救済基金とギリシャの債券 保有者への最新提案、赤字抑制に向けドイツが主導する条約が中心。 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は会合前に、「われわれの金融ファイアウォール (防火壁)を補強できるようにすることが不可欠だ」と語った。

現行の基金EFSFにはまだ約2500億ユーロの資金が残って いる。ドイツはESM発足後もEFSFの残存資金を活用すること を認めることについて、今までで最も柔軟な姿勢を示した。

メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)の有力議 員ノルベルト・バーセル氏はこの日ベルリンでのインタビューで、 両基金を並行して稼働させる案が「協議されている」と発言。ザイ ベルト独政府報道官も同問題が30日のEU首脳会議で議論される 可能性があると認めた。

併用で7500億ユーロに

両基金の併用で欧州の救済に向けた資金規模は7500億ユーロ 程度に拡大する。これに加え、ユーロ圏の中央銀行が国際通貨基金 (IMF)に1500億ユーロ拠出を約束している。

IMFのラガルド専務理事はこの日ベルリンでの講演で「より 大きなファイアウオールが必要だ」とし、「それがなければイタリ アやスペインのように本質的には債務返済が可能な国までが異常な 調達コストのために支払い危機に追い込まれる」と警告した。

同理事はユーロ圏からの1500億ユーロにさらに上乗せし、I MFの資金を計5000億ドル(約38兆5000億円)増やすことを 目指している。同理事はこの日、この達成を「楽観できる」との認 識を示した。

ギリシャへの民間債権者を代表する国際金融協会(IIF)ダ ラーラ専務理事によれば、債券保有者側は債務減免で「最大限」の 提案をした。民間との合意はギリシャ向け第2次金融支援の鍵。ギ リシャは3月20日に145億ユーロの国債償還を控えている。

メルケル独首相はこの日、ギリシャ問題がそれまでに解決され るとの見方を示し、「民間債権者との交渉と新たなギリシャ向けプ ログラム協議が同時に完了することは可能だ。十分に早く合意に至 り、いかなる形のつなぎ融資の必要も生じないと思う」と語った。

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