欧州の最悪期脱出は本物か-25日から「魔の山」ダボスでWEF総会

ドイツのメルケル首相や欧州中央銀 行(ECB)のドラギ総裁ら欧州指導者は、ドイツ人作家トーマス・マ ンの「魔の山」の舞台となったスイスのダボスで驚きを持って迎えられ ることになる。ユーロ圏の苦境が今年も続くというのが格付け会社と民 間エコノミストらのコンセンサスだが、域内での市況や統計は改善した り、予想を上回ったりしている。

短期金融市場での金利が低下し、ドイツやフランスが発表する経済 統計は市場予想を上回っている。イタリアとスペインの国債相場は、利 回りがユーロ導入後の最高となった昨年11月の水準から反発。ブルーム バーグ欧州金融コンディション指数は2011年9月に最低のマイナス5.4 だったが、マイナス3.5まで回復し、同年8月以来の高水準となってい る。

スイスで今週始まる世界経済フォーラム(WEF)年次総会、いわ ゆるダボス会議にはメルケル独首相やドラギECB総裁らも出席する が、こうした事実を踏まえて欧州債務危機の最悪期が終わった可能性が あるとする楽観的な見方も浮上している。

同会議に出席する資産家ジョージ・ソロス氏やノーベル経済学賞受 賞者のジョゼフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授らは、このよう な楽観論には懐疑的だ。英ヘリテージ・キャピタル・マネジメントを創 業したウィリアム・ブラウダー氏は、「欧州の政策担当者らダボスで市 場を落ち着かせようとでき得る限りのことをするだろう。ただ、人々は 依然として恐怖に足がすくんでいる」と述べた。

メッセージ発信

1924年に出版された「魔の山」は、マンが病気の妻を見舞うためス キーリゾート地のダボスを訪れた旅が着想となっている。マンのダボス 訪問から1世紀を経て、約2600人の政財界の指導者が25日から5日間開 催されるダボスに集う。メルケル首相は25日に開幕スピーチを行い、ド ラギ総裁はその2日後に講演する予定。

英銀スタンダードチャータードのチーフエコノミスト、ジェラル ド・ライオンズ氏は、「欧州に関してムードが大きく変わるのを何度も 経験してきたが、これからもこうした振れは続くだろう」と語り、ダボ スに集まる欧州首脳らは「根本問題の一部を解決することに努めている とのメッセージの発信を望んでいる」と指摘した。

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