FRB議長、2つの任務遂行する姿勢の有効性明らかに-危機時に

米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長が完全雇用と物価安定という2つの任務に注力する 姿勢の有効性が立証されつつある。米景気拡大に弾みがつき、欧州の 金融当局は同議長に続こうとしている。

バーナンキ議長は昨年、雇用を創出するため新たな刺激策を推進。 議長による過去最大規模の金融緩和がインフレを招くとの批判にも動 じなかった。米景気拡大が加速し、ユーロ圏は3年で2回目のリセッ ション(景気後退)の瀬戸際にある現在、イングランド銀行(英中央 銀行)のキング総裁と欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も、イン フレ率が目標を上回っているものの景気浮揚に意欲的な立場を表明し ている。

バーナンキ議長と研究調査結果の共同執筆経験があるニューヨー ク大学のマーク・ガートラー教授は「FRBは惨事を阻止することに 成功している」と指摘した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト70人の予想 中央値によると、2012年の米経済成長率は2.3%となる見通し。こ れは、ECBがユーロ圏に関して予想する0.3%の成長率のほぼ8倍 だ。

ガートラー教授は成長を重視するバーナンキ議長の姿勢について、 「インフレ率が一時的に急上昇したとしても、FRBが必死になって どんな犠牲を払ってでも物価の安定に走るといったことはないと、市 場に示唆する一助となっている」と語った。

失業率上昇

FRBは昨年、6000億ドル(約46兆2000億円)規模の国債 購入プログラムを6月に完了した後、8月と9月に追加金融緩和を実 施した。両月の個人消費支出(PCE)価格指数はともに前年同月比

2.9%上昇と、約3年ぶりの高い伸びだった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は、昨年3月には8.9%に低 下していた失業率が4月に上昇に転じ、9.1%となっていた8月に動 いた。FRBは同月、13年半ばまで政策金利を過去最低に維持する と表明。9月には、期間が短めの国債4000億ドルを期間が長めの国 債に入れ替えるオペレーション・ツイスト(ツイストオペ)を決めた。

バークレイズ・キャピタルの米国担当チーフエコノミスト、ディ ーン・マキ氏は「FRBは2つの任務を持っていることで、インフレ に関する統計が全般的に高い伸びを示している時期に追加刺激策を実 施することを正当化する上でより容易な立場にある」とし、「失業率 は高過ぎ、それを押し下げるのが金融当局の仕事だと主張するのはた やすい」と指摘した。

FRBの措置を受け、失業率は12月に8.5%とほぼ3年ぶりの 低水準に低下した。

FOMCは24日から2日間の予定で会合を開く。

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