欧州株、米国株との比較で04年以来の割安水準-景気格差を反映

欧州株のバリュエーション(株 価評価)が、米国株との比較で2004年以来の低水準に落ち込んでい る。 景気見通しにおける両地域の格差が1998年以来の最大に広がってい ることが背景だ。

ブルームバーグが集計したデータによると、昨年11%値下がり したストックス欧州600指数の株価純資産倍率(PBR)は1.43 倍。これに対し米S&P500種株価指数は同2.14倍となっている。 ストックス欧州600指数は69営業日連続で30%以上割安な水準が 続いており、こうした状態は過去7年で最も長い期間にわたっている。 エコノミストは今年の米国の経済成長率をプラス2.3%と予想するが、 欧州はマイナス0.2%を見込む。

強気派は、米経済成長を追い風にストックス欧州600指数構成 銘柄の今後2年間の増益率を平均9.8%とみているため、この景気格 差が絶好の買い場を提供していると指摘する。5年におよぶ株式の強 気相場が始まった03年当時、米経済はユーロ圏の倍の速さで成長し た。一方の弱気派は、財政赤字が今後も両地域の回復を阻害するとと もに、欧州の景気後退(リセッション)が世界各国にマイナス影響を 及ぼすと分析する。

UBSウェルス・マネジメント・アメリカスのチーフ投資ストラ テジスト、マイク・ライアン氏は19日の電話インタビューで、「ユ ーロ圏は世界最大の経済ブロックであろうが、一国家の経済規模では 米国が最大だ。米景気が回復すれば、世界の他地域に良い影響が及ぶ だろう」との見方を示した。

1997年以来の好スタート

モルガン・スタンレーのアナリストによれば、欧州企業は昨年、 売上高の46%を欧州域外で稼ぎ、大企業ではこの割合が57%に達し たもようだ。このうち米国での売上高は全体の約14%を占める。

ユーロの対ドル相場はこの3カ月で約4%下落し、ブルームバー グ相関・加重通貨指数を構成する主要10通貨で最低のパフォーマン ス。モルガン・スタンレーは昨年10月3日付の顧客向けリポートで、 ドルが10%値上がりすれば12年の欧州企業の利益は1.8%押し上 げられ、株価の「フェアバリュー」は1.7%上昇するとの見通しを示 していた。

先週の株式相場は世界的に上昇。米新規失業保険申請件数がほぼ 4年ぶりの低水準となり、ドイツの投資家信頼感が大幅に改善したこ とが好感された。ストックス欧州600指数は2.7%高の255.85と 1997年以来の好スタートを切り、S&P500種株価指数も2%高の

1315.38と年初としては97年以来の大幅高となっている。

デカップリングは株価にプラス

PBRで示されるバリュエーションは、信用危機が始まった08 年に過去10年の平均を下回った。ギリシャがデフォルト(債務不履 行)に陥れば、少なくとも35カ国・地域の株式相場が11年に20% 以上値下がりして弱気相場入りするとの懸念が広がったためで、米国 や欧州ではPBRはいまだに回復していない。ストックス欧州600 指数は09年3月から62%値上がりし、PBRは1.1倍から上昇し たものの、依然として過去10年の平均を25%下回る水準。

米ブラックロックの運用担当者ケビン・レンディーノ氏はインタ ビューで、欧米間のデカップリング(非連動)の兆候は株式にとって プラスと指摘する。欧州債務懸念の高まりと後退に伴い、昨年は米国 株とユーロ相場に連動が見られたが、今年はその関係が崩れていると 語った。

S&P500種株価指数の昨年の騰落率は、ユーロ相場が3.2%下 げる中でほぼ横ばい。両者の相関係数(30日間)は11月に過去最 高の0.91に達していた。ただ、ブルームバーグのデータによると、 11月30日以降はユーロが対ドルで4%値下がりする一方、S&P 500種株価指数は4.9%上昇しており、相関係数は0.66に低下して いる。

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