【今週の債券】長期金利は1%台乗せも、米景気期待で金利上昇圧力

今週の債券市場で長期金利は0.9% 後半中心に推移し、一時的に1%台に上昇するとの見方が出ている。 米国では景気回復を示す経済統計を受けて株高が続いており、国内株 高を通じて国内債市場に金利上昇圧力がかかりやすいことが背景。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが20日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは、 全体で0.93-1.02%となった。前週末の終値は0.985%。1%台乗せ となれば昨年12月14日以来となる。

米国では27日に昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP)が 発表される。ブルームバーグの予測調査によると、前期比年率3.0% 増となる見通し。7-9月期は同1.8%増だった。三井住友海上あい おい生命保険経理財務部の堀川真一部長は、「最近良い指標が出ている ため、GDPは良くて当然という反応ではないか。株価も先取りした 動きになっている」と語った。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は「ユーロ反発 や株高が続くようだと、長期金利は一時的に1%の大台回復がありそ う」だと言う。

もっとも、ギリシャと債権銀行団の代表を務める国際金融協会(I IF)の協議について、交渉の難航が予想されている。JPモルガン・ アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は「債務問題がすぐ に解決するわけではないので、あまり楽観的にならないほうが良いの ではないか。長期的にみると、解決にはほど遠い」と話した。

日本銀行は23、24日に金融政策決定会合を開催する。欧州懸念は 根強いが、株価の堅調推移などもあって、金融政策の据え置きが見込 まれている。ブルームバーグ調査では全員が現状維持を予想。一方、 米国では24、25日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。 今回からメンバー全員の政策金利予測を発表する。

20年債入札

需給面では、26日の20年債入札が注目材料。前週に行われた同 じ超長期ゾーンの30年債入札が順調だったことから過度な警戒感は 出ていない。前回入札の20年物132回債利回りは1.76%と、10日以 来の水準まで上昇しており、一定の需要が見込まれている。堀川氏は 「利回りが1.7%後半であれば投資家の買いが入るため、無難な結果 になるとみている。1.7%を割れればやや不安視される」と話した。

今回の20年債入札について、前週末の入札前取引では1.76%程 度で推移しており、クーポンは前回債より0.1ポイント高い1.8%か、 横ばいの1.7%となる見込み。発行額は1兆1000億円程度。

20日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の 通り。先物は中心限月3月物、新発10年国債利回りは320回債。

◎みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジスト

先物3月物142円20銭-142円60銭

新発10年債利回り=0.96%-1.00%

「先物は20日移動平均線を割ったことで軟調な地合いが継続し そう。出遅れ感の強い日本株は堅調推移が続きそう。ただ、5年債利 回りの0.35%や10年債の1%は強い押し目買い需要が下支えする。 20年債入札では、最近の弱い動きが懸念され、水準調整の余地もある が、クーポンが引き上げられれば需要は強まるだろう」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物3月物142円00銭-142円70銭

新発10年債利回り=0.95%-1.02%

「FOMCで緩和的な政策が示されても、米国株市場が好感する と、米債高を通じた円債買いは期待しにくい。欧州債務懸念は目先や や緩和しているとは言え、市場で楽観と悲観が交錯する状況は変わら ない。10年債利回りの1%や5年債の0.35%が押し目買いのめどとし て意識されよう」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物3月物142円00銭-142円80銭

新発10年債利回り=0.93%-1.01%

「長期金利は1%を試すかもしれないが、1%台では買いが入り、

0.9%台に戻すだろう。1%から上昇する感じではない。FOMCでは、 米連邦準備制度理事会(FRB)が現段階で本格的に動くとは思わな い。透明性向上を狙い、今後の政策金利予測を公表するが、金融市場 への影響に注目している」

◎三井住友海上あいおい生命保険経理財務部の堀川真一部長

先物3月物142円50銭-141円50銭

新発10年債利回り=0.97%-1.00%

「金利に上昇圧力がかかるものの、押し目買いが入るとみる。日 米の金融政策面でサプライズ(驚き)はないと思う。これまでの政策 を継続するだろう。米国は6月末のツイストオペ終了後にどうするか を示唆する感じ。現段階では経済指標が良いので動かないだろう。日 銀も円高になれば対応するだろうが、それまで政策を温存するのでは ないか」

--取材協力:船曳三郎、赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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