1月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、ギリシャ債務交渉の行方警戒

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対して2週間ぶり高 値から下落。欧州株の値下がりや、ギリシャの債務交換協議が長引いて いることが背景にある。

比較的安全とされるドルは買われ、ドルは主要通貨の大半に対し て値上がりした。ユーロは週間ベースでは7週ぶりの上昇。前日のス ペインやフランスの国債入札で落札利回りが低下したことなどが、ユ ーロの買いにつながった。カナダ・ドルは米ドルに対して下落。カナ ダのインフレ率はエコノミストの予想以上に低下、利上げ期待が後退 した。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)は「前日の取引の巻き戻しが若干みられ る」と指摘。「ギリシャの民間部門関与(PSI)交渉が続いている ことを考慮し、週末前にユーロのロングポジションをやや調整する動 きが広がっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.3%安の 1ユーロ=1.2913ドル。一時は1.2986ドルと、4日以来の高値 を付ける場面もあった。週間では2%高。ユーロはこの日、対円では

0.4%安の1ユーロ=99円62銭。ドルは対円で0.1%安の1ドル =77円01銭。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.1%上げて80.158。ただ、週間では逃避需要の後退 を背景に1.6%低下した。

全米不動産業者協会(NAR)がこの日発表した昨年12月の中 古住宅販売件数(季節調整済み、年換算、以下同じ)は、前月比5% 増の461万戸となった。これは昨年1月以来の高水準。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は465万戸だ った。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指 数によると、ユーロは過去3カ月間に4.2%下落。欧州債務危機が イタリアやスペインに波及しているとの兆しから、ユーロの売りが膨 らんだ。ドルは同期間に2.4%、円は0.4%いずれも上昇している。

ギリシャ政府と、同国債の民間保有者を代表する国際金融協会 (IIF)の協議はアテネ時間20日午後7時30分(日本時間21 日午前2時30分)に再開される。ギリシャ債の自発的な交換の詳細 を詰める協議は欧州連合(EU)当局者との電話会議後に再開される という。ギリシャのベニゼロス財務相が、IIFおよびパパデモス首 相との会合後に明らかにした。

「利益を確定」

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクター、 ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「ギリシャの交渉 が合意に達するとの観測から、ユーロは過去3日間に大きく上昇し た」と指摘。「交渉が3日目に入っているという事実を受け、懸念がや や生じており、1.30ドル台への上昇を待たずに利益を確定する動きが 広がった」と述べた。

カナダ・ドルは米ドルに対して0.2%安。カナダ統計局が発表 した昨年12月の消費者物価指数は前月比0.6%低下した。前月は

0.1%上昇していた。前年同月比では2.3%の上昇。ブルームバー グがまとめたエコノミスト予想の中央値は前月比が0.2%低下、前 年比では2.7%上昇だった。

メキシコ中央銀行はこの日、政策金利を据え置いた。据え置きは 24会合連続。同国では経済成長ペースが鈍化しているものの、インフ レの加速に歯止めがかかっていない。メキシコ・ペソはドルに対して

0.3%上昇した。

◎米国株:総じて上昇、金融とテクノロジー株がけん引

米株式相場は総じて上昇した。S&P500種株価指数は取引終了 直前で下げを埋めた。銀行株が上げたほか、米IBMやマイクロソフト の好調な四半期決算を受けてテクノロジー株が買いを集めたことが背景 にある。

JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)が 高い。IBMとインテル、マイクロソフトの決算はそれぞれ利益が 市場予想を上回り、買いが膨らんだ。ゼネラル・エレクトリック(G E)は前日から変わらず。一時2.5%下げる場面も見られたが、終了 までに下げを取り戻した。同社が発表した決算は利益が予想を上回っ たものの、欧州市場の低迷で売り上げが伸び悩んだ。

グーグルは大幅下落。売り上げが市場予想を下回り、失望売りが 広がった。クレジットカード会社、アメリカン・エキスプレス(アメ ックス)も安い。決算は収入が市場予想に届かず嫌気された。

19日のニューヨーク時間午後4時現在、米市場の騰落率は7対 5。S&P500種株価指数は前日比0.1%上げて1315.38で取引を 終了した。1月13日以降の上昇率は2%となっている。同指数は週 間ベースで3週続伸と、昨年10月以降で最長。この日のダウ工業株 30種平均は前日比96.50ドル(0.8%)高の12720.48ドル。株 価比重でダウ平均の11%を占めるIBMが同指数を60.55ドル押し 上げた。

ロバート・W・ベアードのチーフ投資ストラテジスト、ブルー ス・ビトルズ氏は電話インタビューで、「業績の伸びは鈍化していく だろうが、それは市場で既にある程度織り込まれている。業績が予想 以上に悪化しなければ、問題にならないだろう」と述べた。

金融株が値上がり

ブルームバーグの集計によれば、S&P500種の構成企業で1月 9日以降に決算を発表した51社のうち、33社の1株当たり利益が 市場予想を上回った。

米中古住宅販売は昨年12月に増加し、3カ月連続のプラスとな った。販売件数は11年1月以来の高水準。ギリシャ政府と民間債権 者の債務減免協議は長引き、この日で3日目に突入。同国の債務引き 下げや国際支援に基づく融資の第2弾実施へ向けた極めて重要な取り 決めが話し合われている。

S&P500種を構成する主要10業種のうち、金融株指数は

0.7%高と最も上げが大きかった。JPモルガンは1.2%上昇。BO Aも1.6%高で引けた。

USトラストの最高投資責任者、クリス・ハイジー氏(ニューヨ ーク在勤)は電話インタビューで銀行株の値上がりについて、「いい 兆候だ。金融は比較的安定した部門となった。6-9カ月以内に金融 部門の転換が見え始める、その最初の兆しだ」と指摘した。

テクノロジー株好調

IBMは4.4%上昇。同社が発表した昨年10-12月(第4四半 期)決算は、ソフトウエア需要の伸びを追い風に前年同期比で

4.4%増益となったことが好感されたほか、12年の利益見通しがア ナリスト予想を上回ったことも買い材料。

半導体メーカーのインテルは2.9%高。1-3月(第1四半期) の売上高見通しは、一部のアナリスト予想を上回った。パソコン(P C)生産の抑制につながっていたディスクドライブ不足が解消される 可能性が示唆された。

マイクロソフトは5.7%の上昇。昨年10-12月(第2四半期) 決算は、利益が市場予想を上回った。年末商戦で家庭用ゲーム機「X box」や体の動きや声でゲームを操作するシステム「Kinect (キネクト)」の売れ行きが好調だった。

グーグルは8.4%下落。サスケハナ・インターナショナル・グル ープのアナリスト、ハーマン・リョン氏によれば、ラリー・ペイジ最 高経営責任者(CEO)は同社の成長に弾みをつけようと従来からの 検索エンジン事業以外の新市場を開拓している。この取り組みの結果、 携帯端末や新興国市場での広告料金が低く設定されていることから、 ユーザーがオンライン広告を開く際にグーグルが得る1クリック当た り広告収入が平均8%下落したという。

◎米国債:年初来リターンは03年以降最悪-景気期待で

米国債相場は今年これまでのところ、2003年以降で最悪のスター トとなっている。米景気回復を示す指標の発表や、欧州の債務危機が解 決に近づきつつある兆候が見られることが背景。

10年債はこの日、3日続落となった。昨年12月の中古住宅販売 件数が3カ月連続でのプラスとなり、失業保険申請件数の減少に続き 米経済が勢いを増しつつある兆候が増えたことが手掛かり。スペイン とフランスが19日に実施した国債入札では、平均落札利回りが低下し た。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチー フ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「欧州ソブリン債で驚く ようなことが起きていないことから、落ち着いた状況が広がっている。 それが米国債には重しとなっている」と指摘。「米住宅販売は、非常に 低い水準からではあるが改善しつつあり、最近見られた前向きな指標 と整合的だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後5時2分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の2.03%。同年債(表面利率2%、 2021年11月償還)価格は13/32下げて99 25/32。利回りは今 週16bp上昇した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチによれば、今年 に入ってからの米国債のリターンはマイナス0.342%と、マイナス幅 は03年のマイナス0.693%以降で最大。ただ同年は年初のリターン は悪かったものの、年間では2.25%となった。

スプレッドのワイド化

2年債と10年債の利回り格差(スプレッド)は4bp拡大し、

1.78ポイント。一時1.79ポイントと、昨年12月13日以降で最大 となった。10月4日には1.47ポイントまで縮小していた。

シティ・マクロ・リスク指数は前日、0.601と5カ月ぶり低水準 に低下し、高利回り資産への需要が高まっていることが示された。

ロイズ・バンク・コーポレート・マーケッツの債券ストラテジス ト、エリック・ワンド氏(ロンドン在勤)は「国内の経済指標はそれ なりに良好で、米国債の売り材料になっている」と分析。「リスクセン チメントは全般的に前向きで、米国債への逃避需要が後退し、利回り を押し上げている」と続けた。

19日に発表された先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から5万件減少して35万2000件。これは2008年4月以 来の低水準。また18日発表された鉱工業生産指数は上昇した。

雇用市場

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、リチャード・ギル フーリー氏は「雇用市場には非常に大きなけん引力がある」とした上 で、「米経済指標にはある程度の一貫性そして加速が見られ始めてい る。第1四半期(1-3月)を過ぎれば、米国債の利回りは急上昇する だろう」と続けた。

全米不動産業者協会(NAR)が20日発表した昨年12月の中 古住宅販売件数(季節調整済み、年換算、以下同じ)は、前月比5% 増の461万戸となった。これは昨年1月以来の高水準。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は465万戸だ った。

◎NY金先物:反発、現物需要の増加で-終値1664ドル

ニューヨーク金先物相場は反発。現物需要の増加が手掛かり。

米造幣局が販売した金貨は今月に入って既に10万6000オン スと、先月月間の6万5500オンスを上回っている。オプションセ ラーズ・ドット・コム(フロリダ州)の創業者、ジェームズ・コーデ ィアー氏によると、中国や台湾、香港、ベトナム、タイは春節(旧正 月)を前に金の購入を拡大した。

コーディアー氏は電話インタビューで「現物買いが相場をある程 度支えている」と指摘。「徐々にだが確実に資金が金に戻ってきてい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比0.6%高の1オンス=1664ドルで終了。週間では 3週連続の上昇となった。

◎NY原油:3日続落、中国製造業の縮小と欧州懸念で

ニューヨーク原油先物相場は3日続落。1カ月ぶりの安値となっ た。中国製造業活動の縮小を嫌気して売りが出た。ギリシャ債務危機 の解決に向けた協議が長引いており、欧州の景気が鈍化するとの懸念 が強まったことも悪材料。

1月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は3カ月連続 の縮小となった。米中古住宅販売件数が予想を下回ると、原油相場は 下げ足を速めた。

PFGベスト(シカゴ)の調査担当バイスプレジデント、フィ ル・フリン氏は「弱かった中国製造業指数に相場は反応している」と 指摘。「市場はなおギリシャと欧州について懸念を抱いている。石油 需要はまだ回復していない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.93ドル(1.92%)安の1バレル=98.46ドルと、終値とし ては昨年12月20日以来の安値となった。2月限はこの日が最終取 引日。

◎欧州株:反落、米中古住宅販売が予想下回る-建設株に売り

20日の欧州株式相場は反落。前日に5カ月ぶり高値で引けたスト ックス欧州600指数は下落した。この日発表された米中古住宅販売が 市場予想を下回り、最近の株価上昇は経済成長見通しに照らして行き 過ぎだったとの懸念が高まった。

建設資材供給で欧州最大手、フランスのサンゴバンなど建設株が 安い。原油値下がりを受け、英BPを中心に石油・天然ガス関連株も 下げた。一方、ギリシャ・ナショナル銀行(NBG)は8営業日続伸。 ギリシャ政府と民間債権者との債務減免協議はこの日、3日目を迎え た。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%安の255.85で終了。 一時は0.6%下げた。年初来では4.6%上げ、ブルームバーグのデ ータによれば1997年以来最高の滑り出しとなっている。

PFAペンションのシニアストラテジスト、ウィトルド・バーク 氏(コペンハーゲン在勤)は「大半の株価指数が既に1年間で期待さ れるほど上昇してしまったため、投資家は当然のことながら少々慎重 になっている」と指摘。「政治家は難題に取り組んでおり、向こう1 週間に幾分の混乱が起きるかもしれない」と付け加えた。

ストックス欧州600指数は今週2.7%上昇。米経済回復の兆し や欧州が債務危機を克服するとの期待、中国が成長支援で融資抑制を 緩和するとの見方を背景に、5週連続高となった。

この日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が下 落した。全米不動産業者協会(NAR)が発表した昨年12月の中古 住宅販売件数(季節調整済み、年換算)は、前月比5%増の461万 戸となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は465万戸だった。

サンゴバンは2%安の33.89ユーロで終了。BPは3.1%安の

467.45ペンス。NBGは5%高の1.89ユーロで引けた。

◎欧州債:ドイツ債が続落-危機解決への期待で逃避需要が後退

20日の欧州債市場ではドイツ国債が続落。フランスを含むユーロ 圏諸国が今週実施した国債入札で借り入れコストが低下したほか、欧 州の当局者が債務危機を収束させつつあるとの見方から売りが優勢に なった。

ドイツの2年債利回りは一時、ほぼ1カ月ぶりの高水準に達した。 欧州株が週間ベースで5週連続高となり、域内で最も安全とされる同 国債の需要が弱まった。ブルームバーグが入手した欧州連合(EU) の財政協定の草案によると、各国は財政赤字の規則強化に向けて協議 している。

ギリシャ2年債は大幅安。ギリシャ政府と同国債の民間保有者を 代表する国際金融協会(IIF)の協議が3日目に入ったことが売り 材料。

モニュメント・セキュリティーズの債券アナリスト、マーク・ オストワルド氏(ロンドン在勤)は「ユーロ圏諸国が今週実施した国 債入札が順調だったほか、ほぼ1週間を通じて株式市場の地合いが総 じて堅調だったことから全般的に安心感が広がっている」と述べた。

ロンドン時間午後4時52分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.93%。 週間では16%上昇した。同国債(表面利率2%、2022年1月償還) 価格はこの日、0.6下げ100.66。一方、2年債利回りは0.21% で、前日からほぼ変わらず。一時は0.24%まで上げ、先月23日以 来の高水準を付けた。

ギリシャの2022年償還債の利回りは前日比24bp上昇し

34.16%、価格は0.19下げ20.64となった。2年債利回りは 412bp上げ180.42%に達した。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、ドイツ国債の年初来のリターン(投資収益 率)はマイナス0.2%。フランス国債もマイナス0.2%となった一 方、ギリシャ国債はマイナス1.4%。

◎英国債:長期債は3日続落-2052年債発行を来週に控え

20日の英国債市場では、長期債が3営業日続落した。英公債管 理局(DMO)は2052年償還債(表面利率3.75%)を銀行団を通 じて来週発行する。

10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し2.12%。一時は2.14%まで上げ、先月15日以 来の高水準を付けた。同国債(表面利率3.75%、2021年9月償還) 価格は114.15に低下。30年債利回りは7bp上昇し3.11%と なった。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はマイナス0.1%。これに対しドイツ国債はマイナス0.2%、米国 債はマイナス0.4%となっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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