今日の国内市況:TOPIX2カ月半ぶり高値、債券下落-ユーロ上昇

東京株式相場は4連騰し、TOP IXは2カ月半ぶりの高値となった。欧州の中長期債入札の順調や為 替のユーロ上昇を受けて欧州懸念が後退したほか、米国の雇用指標の 改善も好感された。銀行や保険、証券など金融株、輸送用機器など輸 出関連株中心に買われ、割安な株価の修正が今後起こるとの期待が広 がった不動産株は、東証1部33業種の上昇率首位。

TOPIXの終値は前日比14.79ポイント(2%)高の755.47、 日経平均株価は126円68銭(1.5%)高の8766円36銭。

きょうのTOPIXは、終値ベースで昨年10月31日以来の高値 を付け、日経平均は同11月7日以来の高値となった。両指数の4連騰 は、昨年9月1日の6連騰以来の連続上昇記録。東証1部の売買高は 昨年8月9日以来、売買代金は株価指数先物の特別清算値(SQ)算 出日を除くと10月28日以来の高水準に膨らむなど、長期低迷してい た売買エネルギーも盛り上がりつつある。

スペインとフランスは19日の国債入札で、合計146億ユーロ(約 1兆4500億円)相当を発行。いずれも米格付け会社による格下げ後で 初の中・長期債入札だったが、調達コストは格下げ前より低下した。 同日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルと円に対し2週 間ぶりの高値を付けた。20日の東京市場でも、ユーロは安定推移した。

一方、米労働省が19日に発表した先週の新規失業保険申請件数は 前週から5万件減少の35万2000件と、08年4月以来の低水準だった。 エコノミスト予想の中央値は38万4000件、比較的変動の少ない4週 移動平均は37万9000件と前週の38万2500件から減った。

業種別33指数の上昇率上位には証券・商品先物取引、保険、銀行、 その他金融など金融がそろって並んだ。このうち銀行は、欧州懸念の 後退やバンク・オブ・アメリカ(BOA)など米銀行決算が予想ほど 悪くなったことが好感され、三菱UFJフィナンシャル・グループは 東証1部の売買代金首位で前日比5.1%高となるなど大幅高。証券は 売買エネルギーの復調、保険は株価底入れによる保有有価証券の評価 上昇期待も追い風となった。

東証1部の上昇率上位にはサンケイビルや東宝不動産、平和不動 産が入り、住友不動産、三井不動産など大手不動産株も大きく上げた。 野村証券ではセクターリポートで、フジ・メディア・ホールディング スが19日、サンケイビへの株式公開買い付け(TOB)の実施を表明 したことに言及。今後バリュエーション修正が起こる可能性があり、 子会社系不動産会社に注目とした。

半面、日本橋梁が東証1部の値下がり率1位。今回の上昇相場後 で最大の値下がり率となるなど、インフラ再構築や復興関連株は軒並 み損益を確定する売り圧力に押された。

東証1部の33業種では不動産、保険、証券・商品先物取引、鉄鋼、 保険、銀行、非鉄金属、輸送用機器、海運、その他金融、その他製品 が上昇率上位。サービスと鉱業は安い。売買高は概算で25億9871万 株、売買代金は同1兆4033億円。上昇銘柄数は1281、下落は291。

債券下落

債券相場は下落。前日の米国市場で失業保険申請件数の減少や欧 州問題をめぐる不安の後退などから債券安・株高となった流れを引き 継いだ。国内株高や円高・ユーロ安の一服もあり、長期金利は2週間 ぶりの高水準を付けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の320回債利回り は前日比1ベーシスポイント(bp)高い0.98%で始まり、午前9時20 分ごろにはいったん0.975%に低下。しかし、その後、1時間余りで 再び0.98%に押し上げられ、午後3時過ぎには1.5bp高い0.985%と、 6日以来の水準に上昇した。

20年物の132回債利回りは一時1bp高い1.76%と10日以来の水 準まで上昇。30年物の35回債利回りは1bp高い1.94%と約1カ月ぶ りの高い水準を付ける場面があった。

東京先物市場で中心限月3月物は前日比16銭安い142円40銭で 取引を開始。直後に142円44銭までやや戻したが、その後は再び売り が優勢となり、午後2時過ぎには142円35銭まで下落し、10日以来 の安値を付けた。結局は18銭安の142円38銭で引けた。週間での高 値と安値の値幅は51銭と5週間ぶりの大きさとなった。

一方、日本証券業協会がこの日発表した昨年12月の公社債投資家 別売買状況によると、短期証券を除いたベースで大手銀行が2兆5724 億円の売り越しとなった。売り越しは2カ月ぶり。売越額は昨年4月 以来の高水準となった。一方、信託銀行や農林系金融機関、生命保険・ 損害保険は買い越しが続いている。外国人は買い越しに転じた。

ユーロが2週間ぶり高値

東京外国為替市場では、午後の取引でユーロが一段高の展開とな り、ドルと円に対して今月4日以来の高値を更新した。ユーロ圏内の 国債入札好調や、金融安全網の拡充期待などを背景に、域内債務危機 に対する悲観論が修正され、ユーロ買いの流れが続いた。

ユーロ・円相場は1ユーロ=100円ちょうど近辺で日本時間朝の 取引を迎え、100円06銭まで上昇したあと、戻り待ちの売りに押され て、99円86銭まで下げた。その後、午後の取引にかけて再び値を戻 し、一時100円14銭と、約2週間ぶりの高値を付けた。ユーロ・ドル 相場は午前の取引で1ユーロ=1.2954ドルまで水準を切り下げたが、 午後に買い優勢となり、一時1.2981ドルと、約2週間ぶりの水準に上 昇した。

一方、ドル・円相場は朝方に付けた1ドル=77円06銭から午前 に77円21銭までドル高・円安が進行。午後にかけては午前に形成さ れたレンジ内での取引に終始し、日中の値幅は15銭にとどまった。

仏政府は19日、2年、3年、4年債の入札を実施。発行額は計 79億7000万ユーロと、目標上限の80億ユーロをほぼ調達。また、ス ペインでは2016、19、22年償還の国債入札で、計66億1000万ユーロ 相当を発行し、目標上限の45億ユーロを大幅に上回った。

安住淳財務相は20日の閣議後会見で、IMFが融資資金増強を図 る方針を示したことを受け、「事務レベルでのたたき台との認識だ。資 金増強の規模についての説明を聞いた上で日本としての方針を決めた い」との認識を示した。さらに「全く議論を否定するものではない」 としながらも、「資金をしっかりと確保してIMFが今後も効果的に世 界経済の中でレスキュー隊の役目を果たすには米国の協力は不可欠だ」 と指摘した。

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