オリンパスの上場維持決定、東証「関与は一部」-焦点は新体制に

巨額損失隠しと有価証券報告書の 虚偽記載が表面化したオリンパスの株式上場廃止について審査した東京 証券取引所は20日、上場を維持する決定をした。損失の発生や隠ぺいは 「一部の関与者のみ」により組織的とまでは言えず、不適切な会計処理 の収益への影響も軽微で、廃止基準に触れるほどではないと判断した。

株主や投資家の信頼を傷つけたとして、上場契約違約金1000万円の 支払いは求めた。発表資料によると東証は21日付でオリンパス株を、内 部管理体制の改善を求める「特設注意市場銘柄」に指定する。上場廃止 の是非を決める「監理銘柄(審査中)」指定は外れる。

特設注意銘柄の企業は、1年ごとに内部管理体制の状況を報告する 義務がある。3年後も問題があると東証が認めれば上場廃止の可能性が ある。高山修一オリンパス社長は20日夜にコメントを発表、同銘柄指定 は「当社の内部管理体制などについて改善の必要性が高いとの判断に基 づくものと理解している」として、信頼回復に努める意向を強調した。

上場維持問題が決着したことでオリンパス問題の注目点は、新たな 経営体制、有報訂正で落ち込んだ自己資本の充実策に移る。新経営陣は 4月後半予定の臨時株主総会で選出される予定、高山社長は3月中旬に は指名委員会から新役員候補の選任を受ける意向を示している。資本充 実策を含めた施策は、新経営陣がまとめることになる。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は「上場維持は織り込み済み で、正式に発表されても株価への影響はない」とコメント。その上で今 後の株価形成のポイントは「資本・業務提携で提携先とのシナジー効果 をどう得るかになる。新しい経営体制も課題だ」と述べている。

上場維持めぐり揺れた株価

オリンパス株価は、マイケル・ウッドフォード氏が過去の企業買収 を問題視して社長を解職された前日の、昨年10月13日の終値が2482円。 1990年代の財テクでの損失を企業買収費用で穴埋めしていたと同社が発 表すると1000円を割り、東証が監理銘柄に指定した翌日の同11月11日 には、424円の日中安値を記録した。

その後は過去の決算訂正で上場維持を図る方針だと報じられたこと などから反転。同12月14日に決算訂正を行って必要書類を金融当局に 提出し、期限切れでの上場廃止を回避した後、上場維持の可否は東証の 自主規制法人による審査待ちとなっていた。

20日終値は前日比変わらずの1199円。特設注意銘柄の指定による上 場維持については、8日の読売新聞朝刊などが先に報じていた。東証自 主規制法人の美濃口真琴・常任理事は20日夜の会見で、当局によるオリ ンパスの「捜査進展で新事実があれば、審査をやり直す可能性がある」 と語った。

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