債券下落、米債安・株高警戒で売り優勢-長期金利は2週間ぶり高水準

債券相場は下落。前日の米国市場 で失業保険申請件数の減少や欧州問題をめぐる不安の後退などから債 券安・株高となった流れを引き継いだ。国内株高や円高・ユーロ安の 一服もあり、長期金利は2週間ぶりの高水準を付けた。

バークレイズ・キャピタル証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジ ストは、金利低下が続いていたので反転してもおかしくないと指摘。 欧州債務問題では「最悪のシナリオを織り込んでいたので、いくつか ポジティブな材料が出て、揺り戻しの動きとなっている」とも述べた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の320回債利回り は前日比1ベーシスポイント(bp)高い0.98%で始まり、午前9時20 分ごろにはいったん0.975%に低下。しかし、その後、1時間余りで 再び0.98%に押し上げられ、午後3時過ぎには1.5bp高い0.985%と、 6日以来の水準に上昇した。

20年物の132回債利回りは一時1bp高い1.76%と10日以来の水 準まで上昇。30年物の35回債利回りは1bp高い1.94%と約1カ月ぶ りの高い水準を付ける場面があった。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は「足元で世界的に株価が上昇しており、債券は軟調で売りが出てい る」と指摘。「国際通貨基金(IMF)の融資資金の増強報道や欧州中 央銀行(ECB)による潤沢な資金供給を受け、欧州債務問題がやや 落ち着いている。ブラジルなど新興国の相次ぐ利下げも株高・債券安 の背景にある」との見方を示した。

先物は10日以来の安値

東京先物市場で中心限月3月物は前日比16銭安い142円40銭で 取引を開始。直後に142円44銭までやや戻したが、その後は再び売り が優勢となり、午後2時過ぎには142円35銭まで下落し、10日以来 の安値を付けた。結局は18銭安の142円38銭で引けた。週間での高 値と安値の値幅は51銭と5週間ぶりの大きさとなった。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは「全体的に リスク回避に傾き過ぎていた分、欧米市場の動向を受けて、ポジショ ン(調整)の売りが出ている。米経済指標も良い数字が続いている」 と話した。一方、「為替市場でじわりと円高になる可能性があり、債券 市場もポジション調整が終われば、それ以上売りが出るとは思えない」 とも述べた。

19日の米国債相場は下落。米失業保険申請件数がほぼ4年ぶりの 低水準に減少したことが背景。スペインとフランスの国債入札が順調 だったことから、逃避先としての需要も後退した。米10年債利回りは 前日比7bp高い1.97%程度。今年最大の上げとなった。一方、米株相 場は続伸。好調な企業決算や失業保険申請件数の減少などが手掛かり。 S&P500種株価指数は0.5%高の1314.50。

日経平均株価は20日、8766円36銭と昨年11月7日以来の高値 で引けた。円の対ユーロ相場は半月ぶりに1ユーロ=100円まで下げ た昨日に続き、一時100円13銭と4日以来の円安・ユーロ高水準を付 けた。

一方、日本証券業協会がこの日発表した昨年12月の公社債投資家 別売買状況によると、短期証券を除いたベースで大手銀行が2兆5724 億円の売り越しとなった。売り越しは2カ月ぶり。売越額は昨年4月 以来の高水準となった。一方、信託銀行や農林系金融機関、生命保険・ 損害保険は買い越しが続いている。外国人は買い越しに転じた。

野地慎シニア債券為替ストラテジストは、来週の債券市場では米 連邦準備制度理事会(FRB)が24、25日に開く連邦公開市場委員会 (FOMC)で公表される見込みの政策金利予測が注目点だと指摘。 また、米長期金利が足元の景気回復を反映して2%台に乗せる場合に は、日本でも、1%の大台を回復する可能性が高いと予想した。長期 金利の1%乗せは昨年12月14日以来となる。

--取材協力 池田祐美、赤間信行 Editors:Masaru Aoki,Hidenori Yamanaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 山中英典 Hidenori Yamanaka +81-3-3201-8347 h.y@bloomberg.net 東京 野澤茂樹 Shigeki Nozawa+81-3-3201-3867 snozawa1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先:

大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE