日本株3連騰で約1カ月ぶり高値、米住宅や欧州懸念後退-電機主導

東京株式相場は3日続伸し、日経 平均株価は約1カ月ぶりの高値を付けた。米国の住宅市場指数の改善、 欧州懸念の後退によるユーロ高から企業業績への不安が和らぎ、電機 など輸出関連やガラス・土石製品など素材関連株、金融株中心に高い。 特に東京エレクトロンなど半導体関連、野村ホールディングスなど証 券株の上げが目立った。

TOPIXの終値は前日比5.70ポイント(0.8%)高の740.68、 日経平均株価は89円10銭(1%)高の8639円68銭。終値での日経 平均8600円台回復は、昨年12月12日以来。

ビバーチェ・キャピタル・マネジメントの三井郁男シニア・ファ ンドマネジャーは、「米国の経済指標や決算の堅調、欧州の金融システ ム不安後退、中国金融政策の景気配慮型への変化など、好材料がいく つも重なったことにより、リスク志向の資金が戻ってきた」とみる。

きのうの米S&P500種株価指数は、昨年7月以降で初めて終値 が1300ポイントを突破。ダウ工業株30種平均やS&P500指数に続 き、ナスダック総合指数も昨秋の戻り高値を上抜けた。出遅れ気味だ った日経平均だが、投資家の短期的な採算ラインである25日移動平均 線に続き、きょうは75日線も1カ月ぶりに奪回。テクニカル面の弱気 シグナルは後退し、売買エネルギーも増加してきた。今後は「75日線 を下値抵抗線と出来るかどうかがポイントになりそう」と、ビバーチ ェの三井氏は言う。

全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが発 表した1月の米住宅市場指数は25と、前月の21から上昇。サブプラ イム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの破綻が広がり始めた2007 年以来の水準まで戻り、着実な改善を示していることが確認された。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は22だった。

IMFが能力増強へ

また国際通貨基金(IMF)は18日、融資能力の増強へ最大5000 億ドル(約38兆4000億円)の調達を目指すと発表。欧州債務危機の 悪化から世界経済を守るため、資金を必要とする国に同基金が融資す るための原資を拡大する。きのうの海外為替市場では、5日以来のユ ーロ高・円安である一時1ユーロ=98円88銭まであり、きょうの東 京外国為替市場でも98円台後半で落ち着いた動きだった。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「製造業や雇用だけでな く、低迷していた住宅市場にも改善がみられることは、米景況感への 信頼度が増す」と強調。こうした米景況感の改善は「ドル安効果に加 え、最も懸念していた新興国需要の落ち込みが実際は少なかったこと がある」とし、米国株は「欧州情勢離れし、景況感の良さを評価する 上昇相場に入った」と受け止める。

海外景気敏感株が総じて上げた中でも、上げが顕著だったのは半 導体関連株だ。東京エレクトロンやアドバンテスト、エルピーダメモ リ、SUMCOなど半導体製造装置関連など半導体関連がそろって急 伸。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「スマートフォン向けの増加や パソコン向けの持ち直しなどが予想されていた中、台湾積体電路製造 (TSMC)や米リニア・テクノロジーなど個別でも株価堅調や業績 上振れ見通しが出てきた」と指摘。半導体関連企業は、「ことし後半に かけての業績回復期待が強まりつつある」との認識を示した。

証券上昇率トップ、売買高増勢

東証1部業種別33指数では証券・商品先物、海運、ガラス・土石、 非鉄金属、電機、保険、化学、機械、繊維などが上昇率上位。一方で 陸運、食料品、電気・ガス、情報・通信など景気に左右されにくいデ ィフェンシブ業種は安い。

業種別上昇率首位となった証券株に関しては、欧州懸念の後退に 加え、「極端な薄商いという状況から変わりつつあることを好感してい る」と丸三証の牛尾氏は見ていた。きょうの東証1部の売買高は昨年 10月5日以来、3カ月半ぶりに2日連続で20億株台に乗せ、売買代 金も昨年12月1日以来、1カ月半ぶりに2日連続の1兆円台となるな ど、これまでの売買低迷状況に底入れ感が出ている。

東証1部の売買高は概算で21億3168万株、売買代金は同1兆 1503億円。値上がり銘柄数は889、値下がりは620。

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