ECBが支えるフランス国債需要-19日に格下げ後初の中長期債入

【記者:Anchalee Worrachate and Mark Deen】

1月19日(ブルームバーグ):フランスは19日、最上級「AAA」 格付けから転落後初めてとなる中・長期国債入札を実施し、最大95 億ユーロ(約9400億円)の資金調達を目指す。

発行額の目標レンジは、償還期間が2年、3年、4年の中期国債 が65億-80億ユーロ、2016-40年償還のインフレ連動債が10億-15 億ユーロとなっている。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は13 日、1カ月余り前に格下げ方向で見直すと発表したフランスの格付け を「AAA」から「AA+」に引き下げたが、今週行われた短期証券 入札への影響はなく、既発国債の大量の売りも発生していない。フラ ンスが既にリセッション(景気後退)入りした可能性があり、債務危 機が解決から程遠い中で、19日の中・長期国債入札は、投資家の需要 を占うさらに厳しい試金石となる。

ドイツ銀行の欧州債券戦略責任者、モヒト・クマール氏は「フラ ンス国債が若干割高だという事実が幾らか妨げになるかもしれないが、 これらの国債には地元の投資家から堅調な需要が予想される」と話す。

フランスの10年国債利回りは18日、S&Pが格下げ方向で見直 すと警告した昨年12月5日の3.13%を下回る3.01%となった。同国 政府は16日に格下げ後初の短期証券入札を実施し、85億9000万ユー ロ相当を発行したが、借り入れコストは低下した。

期間3年の資金供給オペ

欧州中央銀行(ECB)は昨年12月20日、新たに導入した期間 3年の長期リファイナンシングオペ(公開市場操作、LTRO)を通 じて、市中銀行523行に4890億ユーロの資金を供給した。ユーロ圏の 銀行は非常に低い金利で調達したこの資金を利用し、国債に飛びつく ことが可能であり、ECBによって需要が喚起されている格好だ。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)の債券ストラテジ スト、リチャード・マクガイア氏は「ECBの流動性供給策の一環と してのLTROが引き続き短期証券を支えている。フランスのファン ダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を勘案すれば利回りが低過ぎる と言えなくもないが、現時点では流動性が需要の主な原動力となって いるようだ」と指摘している。

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