米追加金融緩和はまだFRBの視野の中-景気めぐるリスクを監視

米連邦準備制度理事会(FRB) 当局者は年内の追加金融緩和をまだ視野に入れている。責務として掲 げる物価安定や完全雇用の状態から景気をさらに遠のけることになり かねないリスクに目を光らせている。

アトランタ連銀のロックハート総裁は9日、追加刺激策の「選択 肢」を排除していないと記者団に語った。ニューヨーク連銀のダドリ ー総裁は6日の講演で、FRBが一段の景気浮揚策を講じるかどうか を検討することは「適切」だと語った。両総裁はともに今年の米連邦 公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の世界経済調査共同責任者、 イーサン・ハリス氏は、FRBを突き動かす要因として、欧州のリセ ッション(景気後退)に伴う米経済成長率の落ち込み、予想を超える 米インフレ率の上昇、雇用情勢の悪化を挙げた。

ハリス氏は「雇用市場は特別な役割を果たしている」とし、「当 局者は同市場が実際に回復過程にあることを望んでいる」と指摘。雇 用拡大は「住宅市場に活力を与え、不良債権問題を抱える銀行システ ムにとって追い風となるほか、当然ながら消費者も手助けする」と述 べた。

バーナンキFRB議長ら米連邦公開市場委員会(FOMC)メン バーは、24、25両日にわたる会合終了後に最新の経済見通しを公表す る。また、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の予想値などを 初めて公表する。

バーナンキ議長はまた、会合終了後に記者会見を開き、最近の統 計は景気加速を示しているが、大規模な資産購入措置の第3弾がなお 検討中であることを示唆する可能性がある。

量的緩和のコスト

JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケ ル・フェロリ氏は「量的緩和の再度の実施が、成長、インフレのいず れの分野でも相当な失望を招くとは限らない」と言明。「デフレの恐 れが十分にあり、インフレ期待が後退している場合」、債券購入拡大 に伴う「コストが大きいとは判断されないだろう」と述べた。同氏は、 JPモルガンは今年の債券購入拡大を予想しない方向にわずかながら 傾いていると説明した。

ハリス氏のほか、IHSグローバルの金融経済学ディレクター、 ポール・エデルスタイン氏は、資産購入を実施するとなればでFRB は住宅市場を支える住宅ローン担保証券(MBS)に集中するとみて いる。

元ニューヨーク連銀エコノミストであるエデルスタイン氏は「基 本的なシナリオは、景気回復は持続するが弱いというものだ」と語り、 「FRBが量的緩和第3弾(QE3)を実施する公算は大きいだろう」 と話している。

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