「肥大化」したロンドンの銀行業界、急速に縮小-収入減と人員削減で

ロンドンの金融街スクエアマイル は、世界の金融拠点のうち最も急速に縮小している。

英国では昨年、他国と比較して最も大量に人員が削減された。ロン ドンの銀行ではトレーディング収入が落ち込んでおり、政治家からは報 酬や人員のさらなる削減を迫られている。英政府は商業銀行業務と投 資銀行業務の分離を望んでおり、欧州連合(EU)首脳らは年末までに 金融取引税を導入することを目指している。

米シティグループの英国部門の元責任者で1965年にスクエアマイ ルで勤務を始めたマイケル・カークウッド氏(64)は「最終的に金融 セクターは規模が小さくなり、重点が絞られるだろう」と指摘。「金融 危機に至る過程で金融業界全体があまりにも肥大化し過ぎ、ロンドン は過度に肥大化した」と振り返る。

ロンドンは、為替取引や国境を越えた銀行貸し出し、金利デリバテ ィブ(金融派生商品)の世界最大の拠点。欧州のソブリン債危機でサー ビスの需要が影響を受けているほか、政治家らは金融業界が世界経済を 崩壊寸前に追い込んだと非難している。

米投資顧問会社コンパス・アドバイザーズのパートナーで、S・ G・ウォーバーグで北米投資銀行業務の責任者を務めた経歴を持つフィ リップ・キービル氏は「欧州と中東、アフリカの主要なセールスとトレ ーディング部門の大半はここにある」と指摘。「世界展開する銀行が 『バーゼル3』などの規制に対応して人員を削減する必要がある限り ロンドンでの削減が進むだろう」と語る。

RBSの人員削減

英政府管理下にあるロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グ ループ(RBS)は先週、エクイティと企業金融部門を閉鎖する方針を 示し最大3500人を削減する計画を発表した。この部門は不採算であり 同行は「資本集約度の高い分野を縮小」する予定であることを明らかに した。同行は政府管理下に入って以降、既に3万人を削減している。

ブルームバーグが集計したデータによると、英国の金融サービス業 界では昨年約5万8000人が削減された。これは世界最多で、西欧の銀 行が発表した削減総数の45%を占める。英民間調査機関の経済ビジネ スリサーチセンター(CEBR)によると、ロンドンのバンカーの雇用 は向こう2年間、1998年の水準を下回る状態が続くと予想されている。

「強力過ぎる」

ロビー団体ザシティUKが英統計局のデータを引用した報告による と、金融業界の英国の国内総生産(GDP)への寄与度は、2010年に 10年ぶりに低下した。金融サービス業がGDPに占める割合は10年に

8.9%と、09年の10.1%から縮小。ただ、2000年の5.2%を上回っ ている。

ジョン・マン議員(労働党)は「業界全体が統合され縮小される必 要がある。この業界は強力過ぎる。それが、この国の経済成長の長期的 な持続可能性に大きな不利益をもたらすだろう」との見解を示した。

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