ユーロとリスク資産の連動性低下-信頼性喪失でユーロ一段安か

ユーロは2011年の相場の下支え 要因だったリスク資産との連動性を失いつつある。ソブリン債危機の 深刻化で域内主要国でさえ信用力が低下している。

ユーロは昨年10月以降、対ドルで8.7%下落したが、S&P 500種株価指数は3.4%上昇した。ブルームバーグのデータによると、 ユーロとS&P500の相関係数は11月に付けた過去最高の0.91か ら0.58にまで低下した。ユーロは昨年1月以降、株式やオーストラ リア・ドルなど経済成長に連動する投資とほぼ同調した動きを見せて いた。

こうした連動性低下の背景には、欧州中央銀行(ECB)ドラギ 総裁による2回の利下げと期間3年の無制限の資金供給策がある。イ タリアやスペイン、先週最上級格付けを失ったフランスなどの借り入 れコスト抑制を図ったものだが、これを受けてユーロは先週、対ドル で1年8カ月ぶりの安値である1ユーロ=1.2624ドルに下落した。

1.45ドル付近にあった8月半ばにユーロ売りを勧めたUBSはここ にきて、適正価値は1.15-1.20ドルだとの見方を示している。

シティグループの通貨ストラテジスト、アンドルー・コックス氏 は今月9日の電話インタビューで「昨年の後半は、ユーロと豪ドル、 S&P500種が全て同様な値動きを見せ、相関関係が極めて強かった」 と述べ、「ここに来てファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)が もう一度重要視されている」と指摘した。

ユーロは一段安へ

ストラテジストは一段のユーロ安を予想している。米経済が改善 を見せる一方でユーロ圏経済は縮小しているため、海外投資家による ユーロ圏からの資産引き揚げの動きが生じている。S&Pは13日に フランスなどユーロ圏9カ国を格下げし、欧州の債務危機は一段と深 刻化した。ユーロ相場は先週から続落、東京時間16日午前8時45 分現在では、対ドルで0.2%安の1.2654ドルとなっている。対円で は0.2%下げて1ユーロ=97円34銭。一時少なくとも2000年12 月以来の97円17銭まで売られた。

UBSの為替戦略責任者マンスール・モヒウディン氏(シンガポ ール在勤)は14日付のリポートで、「ユーロを今、ショート(売り 持ち)にすべきだ。13日金曜日のS&Pによるユーロ圏諸国の大規 模な格下げは価格にまだ十分に織り込まれてはいないと懸念される」 と分析した。

ブルームバーグ・ニュースの予想中央値によると、ユーロ圏経済 は今年0.2%縮小する見通し。別の調査では今年の米国内総生産(G DP)は2.3%増と見込まれている。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏は、 「ECBが金融緩和策を取る一方、米国では経済指標の改善で量的緩 和の公算が低下する状況にあり、ユーロの対ドル相場に引き続き下押 し圧力がかかると予想される」と語った。

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