ゴールドマン元幹部の作家、大恐慌の再来を懸念-30年代舞台に小説

米ゴールドマン・サックス・グル ープの元マネジングディレクター、ノミ・プリンス氏は、「ウォール街 を占拠せよ」デモの誕生につながった状況が大恐慌前と非常に似ている と指摘する。

プリンス氏は1929年と30年の米国を舞台に女性主人公が最大手 の銀行で偶然、秘密を発見する小説「Black Tuesday(仮訳:暗黒の 火曜日)」の著者だ。同氏には「It Takes a Pillage: Behind the Bailouts, Bonuses and Backroom Deals From Washington to Wall Street(仮訳:略奪-救済措置、賞与、ワシ ントンとウォール街の裏取引)」(2009年)など3冊のノンフィクシ ョンの著作がある。

ニューヨークにあるブルームバーグ本社でのインタビューで、金融 システムの過去と将来、そして政策立案者たちが繰り返している過ちに ついて話し合った。

――今回フィクションを執筆した理由は? 「ノンフィクションでは財政危機が人々の感情に及ぼす影響について掘 り下げることができない。統計について語ることはできるが、それでは 公正さに欠ける。感情面を探りたかった」

――現時点の危機ではなく1930年代を背景としたのはなぜ? 「1930年代と現在では非常に多くの類似点がある。資産バブルが大恐 慌の原因となったように、サブプライム(信用力の低い個人向け住宅ロ ーン)バブルが2008年の金融危機につながり、われわれは依然として 困難な状況にある。だから『以前もこのような状況があった。なぜ再び こうなっているのか』と言いたかった」

富裕層と貧困層

「今、1%の富裕層と99%の貧困層がおり、前者はバンカー、後者は その他の人々だ。1930年代にもまさにそのような状況があり、大恐慌 につながった。従って、30年代のローワー・イーストサイドの貧しい 住民とウォール街のバンカーとの対比は非常に興味深い」

――われわれは大恐慌の時と同じ過ちを繰り返しているのだろうか? 「33年にグラス・スティーガル法が制定され、銀行が証券事業で預金 や融資先顧客の利害を損なうことがないよう規制された。投資銀行業務 のリスクは分離され、大規模銀行は分割された。だが今回はそうしなか った。銀行を分割せず、リスクの多くを統合した。さらに大規模化させ たのだ。銀行の複雑さを軽減し政府にゾンビのような銀行を援助させな いようにする機会を逸してしまった」

「あまりに多くの過ちを犯している。それが景気低迷の長期化につなが るのではないかと憂慮している」

(オナラン氏はブルームバーグ・ニュースの記者です。この記事の 内容は同氏自身の見解です。インタビューは抜粋です)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE