欧州救済に動き出す「MIT学派」-バーナンキ、ドラギ、キング氏

【記者:Rich Miller and Jennifer Ryan】

1月13日(ブルームバーグ):欧州の金融危機が域内の金融機関を 飲み込んでしまうかに見えた昨年11月、イングランド銀行(英中央銀 行)のキング総裁は、世界の主要中央銀行当局者による対応策協議の ための電話会議をお膳立てした。

日米欧カナダの主要6中央銀行は電話会議で、市中銀行への緊急 ドル資金供給の金利を引き下げることで合意。欧州の銀行の資金逼迫 (ひっぱく)が緩和されたことで、株価は世界的に上昇に転じた。

キング総裁は電話会議の座長を務めた翌日、記者団に対し、11月 30日の協調策は「われわれ相互の信頼」によって迅速な取りまとめと 発表が可能になったと強調した。

その信頼の共通のソースともいうべきものが、6人の中銀総裁の 一部には存在する。6人の総裁のうち3人は、マサチューセッツ工科 大学(MIT)で1970年代後半と80年代初めに研究生活を送ったか、 教壇に立った経験があるエコノミストだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長(58)と欧州 中央銀行(ECB)のドラギ総裁(64)は70年代後半にMITで博士号 を取得した。「経済理論と応用に関する小論」がドラギ氏の論文のタイ トルだった。キング総裁(63)は1983年当時、MITの教授となって いたバーナンキ氏と隣接するオフィスで研究者としてのキャリアを積 んだ。

大恐慌研究の大家

現在はイスラエル銀行(中央銀行)の総裁を務めるスタンリー・ フィッシャー氏(68)はMITの元教授であり、バーナンキ氏の論文 に助言し、ドラギ氏に教えた経験がある。ECB前副総裁のパパデモ ス・ギリシャ首相と国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、 オリビエ・ブランシャール氏もほぼ同じ時期にMITで博士号を取得し ている。

チリ中央銀行総裁を先月退任したホセ・デグレゴリオ氏は、バー ナンキ氏がMITの客員教授を務めていた当時、大恐慌に関する講義 を受講したことがある。複雑な理論を導き出すことを目指すのではな く、「現実の事象と世界が実際にどう動くか」を理解しようとすること に力を入れていたとデグレゴリオ氏は大学の様子を振り返っている。

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