フランス「AAA」転落覚悟か、大統領選で地ならし-クレジット市場

【記者:Mark Deen】

1月12日(ブルームバーグ):フランスが最上級「AAA」格付け を失うのではないかという心配の日々が数週間続いた後、サルコジ大統 領はフランス人がよくやる肩をすくめるしぐさを見せている。

サルコジ大統領が「AAA」格付けを失うことは「克服できない」 わけではないと発言する無頓着さについて、フランスが避けられない事 態を受け入れたことを意味すると投資家は解釈している。米格付け会社 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、警告している2段階の 格下げを実行するかどうかが今後の焦点となる。

サルコジ氏の姿勢の変化は、大統領選を4月に控えて、有権者に格 下げへの心の準備をさせる意図があるとみられるが、フランス10年国 債のドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)が拡大する一因と なった。S&Pがユーロ圏15カ国の格付けを引き下げ方向で見直すと 発表した昨年12月5日以降、フランス10年国債のスプレッドは40% 余り拡大し、133ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に達した。

グレンデボン・キング・アセット・マネジメント(ロンドン)で資 産運用に携わるニコラ・マリネリ氏は「彼らは避けられないとみられる 事態に備えて地ならしを行っているようだ。市場はそれでもフランスが 『AA+』を維持すると予想している。仮にそれを下回る水準まで格下 げされれば、ドイツ国債とのスプレッドはさらに拡大することがあり得 る」と話す。

想定外の影響も

フランスの格下げは高債務国の救済基金である欧州金融安定ファシ リティー(EFSF)の格付けにも影響を与え、救済コストがさらに割 高になることが懸念される。

スタンダードチャータード銀行のエコノミスト、トマス・コスター グ氏は「われわれの基本シナリオである1段階の格下げは多かれ少なか れ織り込み済みだ」としながらも、「より広範な影響については必ずし も織り込まれていない。信頼感が弱まり、欧州債務危機の自己実現的な 悪循環の火に油を注ぐ恐れがある」と警告している。

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