日本株は金融、資源中心に小幅続伸、米景気安心感と欧州懸念が交錯

東京株式相場は小幅続伸。良好な 経済統計の続く米国株が前日の取引で約5カ月半ぶりの高値を付け、 リスク資産投資への安心感が広がった。証券・商品先物やその他金融、 銀行など金融株が終日高く、国際商品市況の上昇が好感され、鉱業や 非鉄金属など資源関連株も上げた。

ただ、為替の円高・ユーロ安進行に対する警戒感は根強く、ゴム 製品や精密機器といった輸出関連株はさえず、TOPIXは午後後半 に一時マイナスに転じる場面もあった。TOPIXの終値は前日比

1.54ポイント(0.2%)高の733.47、日経平均株価は同25円62銭(0.3%) 高の8447円88銭。

大和住銀投信投資顧問株式運用部の岩間星二ファンドマネジャー は、「米経済指標は改善しているが、欧州の債務問題が経済に波及する リスクはまだ重く見ている」と言う。上昇トレンドにある欧米株に対 し、日本株がやや出遅れている点についても、「欧米金融当局に比べた 日本銀行の金融緩和政策の遅れが原因。それが円高の一因にもなって いる」と話していた。

米商務省が10日に発表した昨年11月の卸売在庫は、前月比0.1% 増加にとどまり、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央 値(0.5%増)を下回った。売上高在庫比率は1.15カ月と、昨年3月 に付けた過去最低の1.13カ月に接近し、堅調な消費動向を示唆。また、 米労働省公表の11月の企業・政府の採用者数は415万人と、前月比で 10万7000人増えた。

こうした中で、格付け会社フィッチのソブリン債部門責任者、デ ービッド・ライリー氏は10日、フランスについて「ユーロ圏危機の深 刻な悪化がない限り、2012年に格下げする可能性は低い」と語った半 面、イタリアについては信頼できる防火壁がないことが深刻な懸念と 述べ、同国の信用格付けを引き下げる可能性は「相当高い」と指摘し た。フィッチでは欧州諸国のソブリン格付けを見直しており、月末ま でに決定を下す意向だ。

海外金融株高の流れ

11日の米株式市場では、S&P500種株価指数が終値で前日比

0.9%高の1292.08と昨年7月29日以来の高値水準に上昇。セクター 別では金融株の上昇が目立った。その流れが波及したきょうの日本株 市場では、朝方から金融株が全般的に上げ、東証1部売買代金上位で は三井住友フィナンシャルグループ、野村ホールディングス、クレデ ィ・ スイス証券が目標株価を上げたオリックスが高い。

また鉱業、非鉄、商社を含む卸売など資源関連株も堅調。ニュー ヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物が0.9%高の1バレル=

102.24 ドルと、4日ぶりに上昇したことが支援材料となった。ロンド ン金属取引所(LME)の銅、アルミ、ニッケル、鉛、亜鉛、スズで 構成するLMEX指数も2.9%高と11月30日以来の上昇率だった。

個別では、ファーストリテーリングが続伸。インド政府が小売業 界における外国企業の出資比率上限を一部撤廃したことから、同社が 「ユニクロ」の同国への出店を検討していると共同通信が10日に報じ た。三協・立山ホールディングスも急騰。第3次補正予算の成立・執 行で復興需要が本格化すると想定し、12年5月期の連結純利益予想を 従来比53%上方修正、4期ぶりの復配も前日に発表した。

1ユーロ=98円割れ

一方、11日の東京外国為替市場では、ユーロが対主要通貨で下落。 ユーロ・円相場は一時1ユーロ=98円を割り込む中、東証1部33業 種ではゴム製品、輸送用機器、精密機器など輸出関連の一角が下げ、 電機や機械も午後に一時マイナスに転じる場面が見られた。

日本郵船など大手海運株は続落。JPモルガン証券では、株価は すでにリターンリバーサルを終え、今後の船舶需給バランスを考慮す ると12年も11年並みに厳しい、との見方を示した。タイヤ販売が昨 年10-12月期に落ち込んだとし、米タイヤ大手が米国市場で急落した ことが嫌気され、ブリヂストンも安かった。

東証1部33業種では、23業種が上昇、10業種が下落。値上がり 銘柄数は868、値下がり627、売買高は概算で16億5737万株、売買代 金は8691億円。国内新興市場では、ジャスダック指数が前日比0.3% 高の48.25と続伸、東証マザーズ指数が同1.1%安の384.29と4日続 落した。

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