米新国防戦略:2正面作戦を修正、アジア重視-オバマ大統領

オバマ米大統領は歳出削減時代の 新たな国防戦略を発表し、アジア地域を重視するとともに宇宙やサ イバー空間での対応力を強化する方針を明らかにした。国際テロ組 織アルカイダの掃討などの任務は維持する。

5日発表された新戦略の概要ではコンピューターネットワーク 上での電子的な攻撃を撃退するためのサイバーセキュリティ-強化、 宇宙をベースにした情報プラットホームの強化、新たなステルス爆 撃機の開発などに投資する必要があるとした。同時に、より小規模 な核兵器で抑止目的を達成できる可能性は高まったとし、欧州にお ける米軍のプレゼンスは「変化しなければならない」としたが、具 体的には明らかにしなかった。

オバマ大統領は国防総省で演説し、「われわれの軍事力はスリム 化するが、米国が柔軟であらゆる不測の事態や脅威に対応できる武 力で軍事的優位性を維持することを世界は認識しておくべきだ」と 強調した。

パネッタ国防長官は新戦略の前文の中で、将来の米軍は「小規 模で筋肉質」になるが、同時に「技術的にも進歩する」と述べてい る。

これに対して共和党議員は電子メールで声明を発表、国防費を 削減しすぎだなどさまざまな角度から批判をしている。下院軍事委 員会のバック・マッキーオン委員長は「誠実で確実な国防戦略は、 より少ない支出で多くのことをする、あるいは少ない支出で少しし かしないということを前提にしては成り立たない」と批判した。

新戦略は国防予算が2021年までに4500億ドル(34兆7300億 円)削減されることになったのを受けてまとめられた。具体的な削 減内容は来月発表される予算教書に盛り込まれる。

新戦略はいわゆる「2正面作戦」からの離脱を表明した。これ は1カ所で大規模紛争に関与していても、もう1カ所の大規模紛争 にほぼ同時に対応できる能力を放棄し、1カ所の大規模紛争には関 わるものの、あらたな紛争は抑止する戦略に切り替えるものだ。

また軍事力の展開地域についてパネッタ長官は、「世界的なプレ ゼンスを持ち、アジア太平洋地域と中東地域に重点を置く」と言明。 欧州の防衛力を維持し、他の地域は同盟国などとの連携を強化する とした。

オバマ大統領は11月にオーストラリアを訪問した際、「米国の 国防費削減はアジア太平洋地域を犠牲にすることは決してない」と 述べていた。

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