債券続伸、株安や流動性供給入札が無事通過-長期金利3日ぶり低水準

債券相場は続伸。午前は前日終値付 近でもみ合いとなっていたが、国内株価が午後に下げ幅を拡大させた ことや流動性供給入札を無事に通過したことで買い安心感が広がった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用グループリーダー は、ユーロ安・円高を受けて国内株安が加速したことなどから10年ま でのゾーンに買いが入っていると指摘。今晩発表の米雇用統計では強 い数字が見込まれているとしながらも、「流動供給入札は問題なく通過 し、相場は堅調に推移している」と話した。

東京先物市場で3月物は、前日比2銭高の142円41銭で取引を開 始し、いったんは142円35銭まで下落。しばらく横ばい圏でもみ合っ た後、午後1時過ぎから水準を切り上げ、一時は7銭高まで上昇。結 局は4銭高い142円43銭で引けた。

先物相場が午後に水準を切り上げたことについて、JPモルガ ン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「国内株価が 下げ幅を拡大したので、買いが優勢となっている。流動性供給入札も 問題なく通過した」と説明した。

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結 果によると、募入最大利回り較差がプラス0.002%、募入平均利回り 較差はマイナス0.004%となった。需要の強さを示す応札倍率は2.64 倍と、前回の4.34倍を下回った。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「きょうは 米雇用統計の発表を控え、新たな手掛かり材料も乏しい。相場は方向 性に欠け、もみ合いから強含み」と予想する一方、この日の流動性供 給入札の終了後に持ち直すとの見方を示していた。

一方、午後の外国為替市場などで北朝鮮の核関連施設で事故が発 生したとの憶測が出ていたものの、債券相場の反応は限定的だった。

長期金利は0.98%

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の319回債利回り は同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.98%と、昨年12月30日以来の 低水準で始まった。一時横ばいの0.985%を付けたが、午後1時過ぎ からは再び0.98%で推移している。

20年物の132回債利回りは午後の開始後に0.5bp高い1.76%を付 けたが、その後は横ばいの1.755%。30年物の35回債利回りは一時1 bp高い1.93%と1週間ぶり高水準を付けた後、1.925%で推移してい る。5年物の101回債利回りは横ばいの0.335%。

米金利上昇の影響限定

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、米民間部 門の雇用者数増加を受けても米10年債利回りの上昇は限定的だった と言い、「円債も米景気循環に反応しやすい特性が失われており、長期 金利は1%乗せに至っていない。欧州債務問題が心理的に強く影響を 与えているためだろう」との見方を示した。

5日の米国債相場は30年債中心に続落。雇用市場に明るい兆しが 見られ、安全逃避先としての米国債需要が減退した。米30年債利回り は前日比3bp上昇の3.06%。米10年債利回りは2bp高い1.99%程度。 また、ブルームバーグ調査によると、6日発表の米雇用統計で、昨年 12月の非農業部門雇用者数は前月比15万5000人の増加が見込まれて いる。11月は12万人増だった。

来週の長期金利は0.9%台後半を中心とした推移になるとの見方 が出ている。岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、欧 州債務問題に関する不透明感や、それに伴う円高・株安基調に金利上 昇が抑えられるとして、長期金利の予想レンジを0.95-1.03%程度と している。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 米国の経済指標の改善はあまり売り要因にならず、むしろ足元のユー ロ安・円高による景気への悪影響の方が意識されやすいと指摘。長期 金利の予想レンジを0.95%-1.03%程度とみている。

--取材協力 池田祐美、赤間信行、船曳三郎 Editors:Masaru Aoki,Hidenori Yamanaka

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