元日の地震ほど驚かされるもの はない。1月1日に起きたマグニチュード(M)7.0の地震で祝日 のまどろみを破られた時、多くの東京都民がそう考えた。

2011年が終わって喜んでいる先進国があるとすれば、それは 日本だ。デフレの深刻化、国債の格下げ、5年間で5人目の首相 辞任、世界中の投資家を動揺させたオリンパス問題などがあった ものの、3月の大震災と津波、それによって引き起こされた放射 能汚染危機は1年で最大のニュースだった。

12年最初の日に地震が起きた時、すぐに心配になったのは東 京電力福島第一原発だ。ありがたいことに、今回、地震は新たな 被害をもたらすことはなかった。

だが、次回はどうだろうか。6月の朝日新聞の世論調査では、 74%が全国の原発を段階的に減らし将来は廃止することに賛成と 答えている。野田佳彦首相が4日の記者会見で示しているように、 政府の対応はそれとは反対のことが進んでいることを示唆してい る。国民は将来の脱原発を望んでいるのに、政府は電力業界を甘 やかす姿勢に戻っている。

どうしてこんな断絶が起きているのだろうか。日本の原子力 産業共同体は、米国の企業と軍とのつながりと全く同じぐらい強 力だ。大金が絡んでおり、日本の「原子力村」も守りを固めつつ ある。菅直人前首相は原子力業界と官僚の癒着を抑える計画を発 表したが、その時に菅氏の首相としての政治生命は終わった。

日本国民に対しもっとふさわしい対応があってしかるべきだ。 また、全国の原子炉54基のうち6基しか稼働していない現状につ いても考えてみるべきだ。苦しい状況が予想され、政府は原発が 経済に不可欠だと主張しているものの、日本は原発なしでもそれ なりにうまくやっていけることを証明している。

日本がこれほどの地震大国でなければ、原子力は効率的で費 用効果が高く、クリーンだという主張にも、もっと説得力がある かもしれない。原発を全て停止しろとは誰も言っていない。技術 者が原子炉を強力な緩衝装置の上に設置するなどしてテロをはじ めとするあらゆる潜在的リスクに対応しない限り、原発中心の政 策からの脱却が日本の指導者にとっての最優先課題になるだろう。

日本が成長産業を求めているのなら、原発に代わるものを探 すことに新たなアイデアや技術革新、投資を集中させるべきでは ないだろうか。 (ウィリアム・ペセック)

(ウィリアム・ペセック氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニ ストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:The Nuclear Future Japanese Don’t Want: The Ticker (抜粋)

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