NY外為:ユーロ、対円で11年ぶり安値-欧州危機の悪化を警戒

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ニューヨーク外国為替市場では ユーロが下落。対円で11年ぶり安値、対ドルでは1年3カ月ぶりの 低水準を付けた。欧州の債務危機が悪化しているとの懸念からユーロ 売りが膨らんだ。米労働市場の改善を示す経済指標はドルの買い材料。

フランス国債入札で借り入れコストが上昇したため、ユーロは大 部分の主要通貨に対して下落した。格付け会社はフランスの最上級格 付け「AAA」を引き下げる可能性を示唆している。ポンドは対ユー ロで1年3カ月ぶりの高値に上昇。安全資産に対する需要が高まり、 豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは米ドルに対して下落した。

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクター、 ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「市場はソブリン 債と欧州の銀行債務に関して非常に強い懸念を抱いている。センチメ ントは非常に暗い」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは円に対して前日比

0.7%安の1ユーロ=98円63銭。一時は98円48銭と、2000年 12月以来の安値水準となった。対ドルでは1.2%安の1ユーロ=

1.2789ドル。2010年9月13日以来、初めて1.28ドルを割り 込み、一時は1.2777ドルまで下げた。ドルは円に対して0.5%高 の1ドル=77円12銭。

ポンドは対ユーロで0.4%高の1ユーロ=82.53ペンス。一時 は2010年9月以来の高値となる82.50まで上昇した。対ドルでは

0.8%安の1ポンド=1.5495ドル。

「ユーロに下振れリスク」

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)はブルームバーグテレビジョンとのイン タビューで、「ユーロにはかなりの下振れリスクがあることを市場は 強く認識しており、かなり長い間そうしている」と指摘。「その認識 に基づく取引が強まっている。ユーロは多くの通貨に対してかなり下 げている」と語った。

イタリアの銀行ウニクレディトは4日、75億ユーロ(約7400 億円)規模の株主割当増資を発表。欧州の銀行が資本増強に苦慮する との懸念が強まった。同行は約390億ドル相当のイタリア政府債を 保有している。

米経済指標

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセ ッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが給与名簿に基づく 集計調査を発表すると、ドルは対ユーロで上げ幅を拡大した。ADP によると、12月の米民間部門の雇用者数は前月比で32万5000人 増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の最高値も上 回った。中央値は17万8000人の増加だった。前月は20万4000 人増に修正された。

ブルームバーグの調査によると、6日発表の12月の雇用統計で は非農業部門雇用者数は15万5000人増が予想されている。11月 は12万人増だった。

米労働省がこの日発表した先週の新規失業保険申請件数 (季節 調整済み)は、前週から1万5000件減少して37万2000件。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は37万 5000件だった。

米供給管理協会(ISM)が5日発表した非製造業景況指数は

52.6と、前月の52から小幅上昇したものの、ブルームバーグがま とめたエコノミスト予想の中央値を下回った。同指数で50はサー ビス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

仏政府が実施した10年債入札(40億2000万ユーロ発行)を 材料にユーロは下落。平均落札利回りは3.29%と、前回入札時(12 月1日)の3.18%を上回った。応札倍率は1.64倍と、前回の

3.05倍から低下。2023年、35年、41年にそれぞれ償還期限を迎 える国債も発行された。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CI BC)の外為戦略担当エグゼクティブディレクター、ジェレミー・ ストレッチ氏(ロンドン在勤)は「格下げの憶測が広がっている。 そのため、フランスがこの入札というハードルを乗り越えたからと いって、ユーロを信頼しようというムードではない」と述べた。

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