スイス中銀総裁の妻が沈黙破る-フラン上限設定直前のドル買いで釈明

スイス国立銀行(SNB、中央銀 行)のヒルデブランド総裁の妻は、自身が昨年8月に行った外国為替 市場でのドル買いに問題はないと釈明した。この取引の約3週間後に 同中銀は30年ぶりにスイス・フランに上限を設ける措置を講じてお り、市場にはその影響が及んだ。

ヒルデブランド総裁の妻でヘッジファンドに勤務した経歴を持つ カシュヤ・ヒルデブランド氏は3日遅く、この取引についての沈黙を 破り、ドル買いはチューリヒ中心部にある自身の画廊経営のためだっ たと発表。買った動機はドルが「ほとんどばかばかしいほどに安かっ た」からだと説明した。総裁はこの件について今のところコメントし ていない。

カシュヤ・ヒルデブランド氏はドル購入について、自身の事業に 関連したものと主張しているが、スイス紙ターゲス・アンツァイガー は4日、ドル買いのための資金は国内の別荘売却で捻出されたと、ヒ ルデブランド総裁に近い人物からの情報として報じた。また、スイス 誌ヴェルトヴォッヘは同日、総裁自らが個人的に為替取引注文を出し ていたと伝えた。

同誌によれば、ヒルデブランド総裁は昨年8月15日、40万フ ランを売って50万4000ドルを購入。情報源は銀行明細としてい る。フランの上限設定後の10月4日に総裁はこのドルを売却するこ とで7万5000フラン(現在のレートで約612万円)の利益を上げ たとも報じた。総裁は同年3月には110万フラン相当の為替取引を 行ったという。

スイス中銀は4日、ヒルデブランド総裁がこの問題について5日 午後に声明を出すほか、質問にも答えると発表、同中銀の電子メール によれば、総裁夫妻の為替取引に絡む報道の一部は正確ではないとい う。

一方、スイスのプライベートバンク、サラシン銀行は3日遅く、 ヒルデブランド家の為替取引に関するデータを国民党のクリストフ・ ブロッハー副党首に漏らしたとして、行員1人を解雇したと発表。行 員の名前は明らかにしていない。同副党首は昨年、ヒルデブランド総 裁に辞任を求めた人物。副党首の報道官はコメントを控えた。

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