元経済産業省官僚で現在は大阪府市 統合本部の顧問を務める古賀茂明氏は、枝野幸男経産相が東京電力に迫 った国有化案について「経営者や株主、債権者の責任をはっきりさせな いまま公的資金を注入したら、彼らを守ることになる」と述べ、東電は 破綻処理すべきだとの従来の考えを改めて示した。

古賀氏は28日にブルームバーグ・ニュースの取材に答え、破綻処 理を進めると金融機関など債権者が一定の負担を負うことになり、結果 として国民の負担が軽減されると指摘した。枝野氏が過去に金融機関、 株主や債権者にも一定の負担を求める趣旨の発言をしていた点に触れ、 「以前に言っていたこととは違うことをやろうとしている大うそつき」 と厳しく批判した。

枝野経産相は27日に東電の西沢俊夫社長を省内に呼び、3月末まで の総合特別事業計画の策定に向けて「一時的な公的管理」の受け入れを 検討するよう指示。古賀氏はこういった枝野氏の指示は「次の選挙を視 野に入れた、人気取りの手段でしかない」との見方を示した。

国有化されれば、東電は電力業界を所管する「経産省のものにな る」ことから、天下り先の確保につながるとみた経産官僚がこの案に便 乗していると指摘した。「現在、子会社や関連会社合わせて数百ある天 下り先も、国有化されればひと桁増えて千の位まで増える」とし、経産 官僚と枝野氏の利害の一致がこの考えを後押していると分析した。その 上で、経産省で東電の経営に関する諸策を講じているのは「改革派では なく、介入派が中心になっていることを忘れてはならない」と強調し た。

古賀氏は、公的資金の注入を決断する前に東電経営陣を刷新すべき だと訴えた。政府が、引き受け手がいないことで現経営陣の責任追及を 遅らせているのであれば、「それは後任を経団連のような狭い世界で探 そうとしているから。経団連の外の世界であれば若くて有能、かつ東電 の経営を引き受けるような人材はたくさんいる」との認識を示した。

古賀氏は、9月末に経産省を退職。5月に出版した「日本中枢の崩 壊」で東電の処理策に触れ、国民負担を減らすために債務の減免や100 %減資を実施すべきだと提言していた。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE